■コロナでも、未来食堂は「人と共にいる」と思える場所に
現在、営業時間は火〜金の11時から15時まで。土曜は不定期営業だ。コロナの影響は大きかったが、小林さんはブレていない。
「コロナでも、人と共にいると思える場所になっている象徴が、このガラスの計量カップなんですよ」
カウンターに置かれた赤い目盛りの計量カップには100円玉が数十枚、入っている。未来食堂にはレジがない。お客はたいがい千円札で支払うが、おつりは自分で計量カップから持ち帰るのだ。
「お客さまの便利のためというより、あなたを信用していますというメッセージです。コロナ以降、社会は人を信用することが難しくなっていますよね。体温を測らなくてはならなかったり、会話を控えなければならなかったり。そんななかでも、あなたを信用していますのメッセージは伝えたい。だから、続けていきたいです」
その日、準備したランチ40食は、14時前には、ほぼ完売。お客さんは次々に、千円札をカウンターに置き、計量カップの100円玉と、缶の中に入っている小さな100円引き券を1枚、もらって帰っていく。これで次回は800円で定食が食べられる。
「ごちそうさま!」
お客さんの満足げな背中を、小林さんの「おそまつさまでした」の声が追いかけたーー。
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