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「同性愛は心の中の問題であり、先天的なものではなく後天的な精神の障害、または依存症です」

 

こう書かれた冊子を国会議員が参加する会合で配布したのは「神道政治連盟国会議員懇談会」。このことが6月29日、一般社団法人fairの代表理事・松岡宗嗣氏がYahoo! に寄稿した記事によって報じられたことで、連日、“差別的”と大きな批判を浴びている。

 

松岡氏の寄稿記事によると、冊子には他にもこんな主張があったという。

 

「(同性愛などは)回復治療や宗教的信仰によって変化する」「世界には同性愛や性同一性障害から脱した多くの元LGBTの人たちがいる」
「LGBTの自殺率が高いのは、社会の差別が原因ではなく、LGBTの人自身の悩みが自殺につながる」
「性的少数者のライフスタイルが正当化されるべきでないのは、家庭と社会を崩壊させる社会問題だから」

 

神道政治連盟とは、全国各地の神社が参加する宗教法人・神社本庁の関係団体。そして、“懇談会”とは神政連の理念に賛同する国会議員によって構成されている。262名もの国会議員が会員として名を連ねているが、そのほとんどが自民党の議員だ。

 

そこで、本誌はは神道政治連盟の懇談会に参加している複数の自民党議員に「冊子が配布された会合に参加していたか」「冊子で書かれた主張に対する見解」「冊子の内容が批判を浴びていることへの見解」といった質問状を送付。

 

先だって公開した記事では、石破茂議員(65)が会合に参加していないとした上で、「一般論として、LGBTQに対する差別や偏見を助長するような言論を公的な団体が流布していると捉えられるようなことは厳に慎むべきである」とコメントしたことを紹介。現職の大臣である牧島かれんデジタル相(45)からも「同性愛者であることは依存症でも、治療すべきものでもないと考えています」という見解があった。

 

いっぽう、“ノーコメント”の議員も。例えば河野太郎議員(59)は「その会合には出席していません。この冊子を見たことも読んだこともありませんので、内容についてはコメントしようがありません」と回答。『新潮45』‘18年8月号に“LGBTは生産性がない”といった主張が綴られた寄稿をし、大きな批判を浴びた杉田水脈議員(55)は「日程の都合で会合には出席しておらず、当該論文の全文を読んでいないのでコメントは差し控える」といい、稲田朋美議員(63)からも「不回答とさせてだきたくお願いいたします」とのコメントがあった。

 

また甘利明議員(72)や岸田文雄首相(64)からは期日までに回答を得られなかった。

 

懇談会の会合で配布された冊子は波紋を呼び、「差別だ」と怒りの声が相次いでいる。いっぽう岸田首相は’21年に行われた自民党総裁選で“聞く力”をアピールしていたがーー。その声は聞こえるだろうか?

出典元:

WEB女性自身

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