釈明に追われる政治家の発言には繰り返し使われるワードが…(写真:共同通信) 画像を見る

「昔からハッキリ物を言う政治家は出世しない。曖昧な“永田町用語”で巧妙に国民をごまかす政治家が出世しているのが実情です」

 

こう言い切るのは、ベテランの国会議員A氏。安倍晋三元首相(享年67)の国葬に関する国民への説明をはじめ、旧統一教会を巡る問題など、岸田文雄首相をはじめとする多くの政治家が連日釈明に追われている。

 

だが、そこで語られる言葉は、一般の会話では使われない“永田町用語”と呼ばれる、その場しのぎのごまかし用語ばかりなのだ。たとえば、岸田首相が繰り返す「国民に対し、丁寧に説明する」は、〈国民を丁寧にはぐらかす〉と同義なのだという。

 

「同じことをゆっくり、まったり、飽きられるまで繰り返し話す。でも肝心なことは言いませんよ、というのが本心です」(A氏・以下同)

 

自民党の萩生田光一政調会長は、記者から旧統一教会との今後の関係を問われた際、「適切に対応します」を繰り返していた。

 

「これは〈一応やったふりだけはします〉という意味です。何をもって“適切”なのか。誰に対し、どう“対応”するのかを濁すときに政治家が用いる常套句です」

 

さらに驚くべき弁明をしたのが、木原誠二官房副長官だ。自民党による自主点検では報告せずに、後になって旧統一教会の関連団体が主催するイベントに参加していたことが指摘され……。「記憶が呼び覚まされた」とまさかの珍回答。

 

「これは〈バレてしまったら仕方がない。思い出したことにしておこう〉です(笑)」

 

このような不誠実極まりないフレーズは山ほどある。そこで、よく耳にする永田町用語の本当の意味をA氏に解説してもらった。

 

〈極めて遺憾であります〉→〈一応、怒っているってことで〉

 

「人ごとのように怒っているふうに見せるときに使います。ハッキリとあなたは悪い、許せないと言い切るのは怖いので、わざとオブラートに包んだ表現をするのです」

 

〈速やかに行います〉→〈そのうちやります、たぶん〉

 

「これらは当たらずも遠からず、でも核心に触れたくないときによく使われる用語ですね」

 

〈お答えは差し控えさせていただきます〉→〈ホントは知ってるけど、しゃべると突っ込まれるから絶対に言わない〉

〈ご指摘を受け止め、検討します〉→〈今、この場では答えられないので、とりあえず次の機会に。そのうち忘れてくれるでしょ〉

 

「政治家は、基本的に責任が問われるような質問には直接答えることはしません。とりあえず型どおりのうわべだけの話に終始します。曖昧な言葉を使い同じ話を繰り返し、時間が過ぎるのを待つのです」

 

会見や答弁に耳を傾けて“永田町用語”を連発するような政治家は信用しないほうが賢明なようだ。

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