83年間働きづめの名物女将・草間千恵子さん。93歳の推し活がバズり中!
画像を見る 介護ベットの隣にはユーチューブを見るためのテレビが

 

■働き続けて80代半ばになったある日、テレビの松潤にひと目ぼれ

 

店が千住から現在の浅草5丁目に引っ越して呉服屋を開いたのが20歳のとき。

 

やがてバブルが崩壊し、和服を着る人も減り、さらに夫も亡くなったことで、千恵子さんは廃業を決意する。驚くのは、ここで隠居生活に入るどころか、70歳にして新たに起業したことだ。

 

「だって、健康なら、働くことは楽しいじゃありませんか。で、何をするかって思うの。そのときひらめいたのが、呉服屋時代にお客さんに持たせていた佃煮でした。

 

その佃煮も最初はよそから仕入れてたの。でも、おいしくないのよ(笑)。だったら自分でと、手作りしてたんです。特に自慢は、葉唐辛子の佃煮。よし、これをオリジナルの売り物にしようと」

 

同居していた次男の隆さんと裕樹子さん(60)夫婦も手伝い、家族経営の佃煮屋で、千恵子さんは70代、80代と、またも必死に働き続けた。

 

そして80代半ばになった、ある日の夕食時だった。孫娘の麻咲子さん(32)と見ていたテレビに、千恵子さんは釘付けとなる。

 

「アップで映っていたのが、『VS』に出ていた松本潤さん。ひと目ぼれよ(笑)。

 

どこがよかったか? そりゃ、男は顔よ! 濃い眉、スッとした鼻筋という、キリリとした顔立ちのイケメンが、あたし、大昔の大映映画のころから好きなのよ」

 

以降、松本潤や嵐が登場する番組はすべて録画して、何度も見返すことが日課となる。

 

こうして始まった「推し活」だったが、まさか、そんな自分の日常がSNSに上げられ、日本中の話題になるとは夢にも思っていなかった。

 

「最初は、おばあちゃんの90歳の誕生日に、ツイッターに家族で祝ったときの写真を上げました。ただ、これは私自身の思い出のつもりでした。大好きなおばあちゃんが、90歳という大台に乗ったことのお祝い、記念として。

 

ですから、本人にも家族にも友達にも内緒だったんです」

 

麻咲子さんが、千恵子さんの密かなSNSデビューについて語る。3年前の4月6日のことだ。

 

こうして、祖母が嵐や韓国ドラマに夢中になっている様子などが、孫娘によって次々とツイッターにアップされていった。

 

なかでも多いのが韓流の話題だが、長生きの秘訣であり、80代になってハマったというその魅力について千恵子さんは、

 

「世間で大騒ぎしていた『冬のソナタ』のヨン様のころは、あたしもまだ70代でバリバリに働いていたから、まだゆっくりドラマを見る余裕もなかったのね。

 

最初は、『愛の不時着』のヒョンビンから。『梨泰院クラス』のパク・ソジュンも好き。

 

韓国ドラマのどこがいいかって? 美男と美女しか登場しないじゃない。そりゃ夢中になってるうちに、イヤなことなんて忘れちゃうわよ」

 

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