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「市長としてやれることはほぼやり切った。さらに市民のために何ができるかというと、国や県を変えることだ」

 

11月10日、会見でこう語ったのは兵庫県・明石市の泉房穂市長(59)。10月、泉市長は自身への問責決議案を巡って市議会議員らに「問責決議に賛成したら承知せえへんぞ」「問責決議なんか出しやがって。(次の選挙で)落としてしまうぞ」などと暴言を吐いたことが報じられた。その責任を取る形で、来年4月の任期満了にともない政治家引退を表明している。

 

ところが、冒頭の会見で新たに地域政党を立ち上げる意向を表明したのだ。、23年4月の明石市の市長選、市議選に向けて公募を行い、候補者を擁立する方針で、25年に行われる兵庫県の知事選も視野に入れているという。なお、政治家引退の意向に変わりはなく、「心ある政治家をつくっていくことに今後の人生をかけたい」とコメントしている。

 

この急展開の背景に一体なにがあったのか――。そこで、長年にわたって泉市長をバックアップしてきた後援会長を務める柴田達三氏に話を聞いた。

 

まず、地域政党のいきさつを尋ねると、意外な答えが。

 

「もう寝耳に水。事前に何も知らされていなかったんです。ニュースを見て『えー!』って、びっくりました」

 

2019年2月、泉市長は駅前の幹線道路の拡張工事で、立ち退き交渉がうまく進んでないことに激怒し、担当する職員に「(建物に)火つけて捕まってこい。燃やしてしまえ」と暴言を吐き辞職。その際、泉市長を励まし、出直し市長選に向かわせて見事、再選につなげた立役者か柴田氏だ。

 

そんな恩人に事前の報告なしに地域政党を立ち上げた泉市長に怒っているのかと思いきや、柴田氏は「びっくりしましたけど、泉さんらしいです。そうなるのも私らにはよく理解できます」と理解を示す。

 

「恐らくこのことに集中して他のことを考えられないぐらい、ずっと考えを巡らせていたんでしょう。それと私に連絡しなかったのは、自分だけの責任で最後までやるんだ、回りをまきこまずに最後は自分で責任を負うんだ、という覚悟の表れだと思います。いつでも自分は腹をきる覚悟で新党を立ち上げるということだと」

 

政治家引退するきっかけとなった今回の暴言騒動が明るみになった際、19年のように励まそうと思っていたという柴田氏。しかし、泉市長と親しい後援会関係者から思わぬ提案を受けたという。

 

「その人から『市長が辞任、引退を口にしても、前回のように引き止めないでほしい。すんなり、市長を辞めさせてあげてほしい。市長は今心身ともに限界。ここは一休みさせてあげたほうがいい』と言われたんです。

 

それを聞いて『わからないこともないな』と私も思いましたので、『今回は一休みしてください』ということで、市長の言うとおりに賛成しました。

 

というのも泉市長は今回、それまで公共投資に充てていた予算を、おむつを無料でくばるとか、子どもの医療費を無料にするとか、子育て支援の方に振り分けました。そのことで公共投資関連の仕事をされている関係者の方からは、厳しい声が市長に向けられたんです。市議会でも市長に反対する議員からも、最近は特に厳しい声があがっていました」

 

さらに安倍晋三元首相(享年67)の銃撃事件があった7月以降は、こんなこともあったという。

 

「泉市長に『死にたくなければ辞任しろ』といった暗殺予告メールが、何度も届くことに。普段は明るく振る舞っていますが、内心は恐怖心でいっぱいになって、平常心を保つこと自体、大変だったんだと思います」

 

最後に、柴田氏は泉市長の今後の政治活動について「えーっ、まだやるんかいな!ですよ(笑)」と冗談めかしながらも、こうエールを送る。

 

「やはり泉さんとしては、これまでのやってきた明石市政の流れをとめたらあかんと。それには自分と考えの近い市長と、市議会議員が必要だということでの新党だと思います。新党も応援しますよ。この明石のいい流れを止めたらいけません。泉市長のやられている政策でしか、日本の少子高齢化をとめる方法はないですから!」

出典元:

WEB女性自身

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