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ツイッターなどのSNSで目にする、現役保育士たちの悲痛な声。長引くコロナ禍で業務が膨大に増えている上に、勃発した不適切保育の問題により、不適切保育を行っていないか自己採点リスト(「保育所・認定こども園における人権擁護のためのセルフチェックリスト」)の記入を義務付けられるなど、心が折れる状況に陥ったというつぶやきも散見される。

 

「現場の保育士さんは子どもたちの健やかな成長のために使命感を持って働いている人が大多数。今回の件で、偏見の目で見ないでほしいと思います」

 

豊富な取材実績と現場感覚をもとに話題作を次々と発表。『誰かたすけて~止まらない児童虐待』(リーダーズノート)『ルポ 居所不明児童 ――消えた子どもたち』(中央公論新社)など子供の虐待問題の著作も多い、ジャーナリストの石川結貴氏はこう話す。

 

「中には誤った行為をしてしまう人もいるということ。ですが、私が取材してきた保育士さんの多くは、懸命に子どものために働いている。家庭での虐待、親によるネグレクト(養育放棄)、そういう子どもたちの状況を必死にフォローしています。登園時、明らかに昨夜から取り替えてもらえず便や尿でおむつを膨らませ、食事も与えられていないお子さんに親身に寄り添い、休日は『ちゃんとご飯を食べているだろうか』『放置されていないだろうか』と、ご自宅まで様子を見に行く方もいます」

 

虐待で書類送検されたり、逮捕される保育士がいる一方、大多数は責任感の強い保育士であり、ネグレクト家庭に休日返上で対応する者もいる、と石川氏は言い切る。

 

「保育園では『家庭での虐待が疑われるケース』については、児童相談所への通告義務があるため、使命感のある保育士さんは、いくらあっても時間が足りないという現状です」

 

体のアザや殴打の痕など親の虐待が疑われる子どもを発見した場合は、保育士がその状況を客観的に報告するため、体を撮影しておく必要も生じる。石川氏が目にしたケースでは、子どもの心にダメージを与えないよう、『ほら先生と一緒に撮ろうね』などと声がけをし、自分もおヘソを見せるなどして、園児をリラックスさせるなどの配慮をする光景もあった。

 

「不適切保育は本当に許されないことです。けれど、立派な保育士さんまで疑いの目で見られているという、辛い状況があります。いまは保育園で、わずかなかすり傷でも作って帰って来ると、クレームを入れる保護者もいます。『何時何分にどんな状態でこの傷ができたのか、詳細をレポートで出すように』と園に要求するケースもあります。いまの保育士さんへのバッシングが高まる状況は、保育の現場がさらに疲弊する危うさがあります」

 

保護者が疑心暗鬼になるあまり過剰な要求をし、良い人材が離れていく。

 

この悪いスパイラルから抜け出すためにも、国による保育士の待遇改善が急務だ。

 

(その4へ続く)

出典元:

WEB女性自身

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