米軍基地から流出か…発がん性疑い「PFAS」が多摩地域の住民の血中から検出
画像を見る 東京・米軍横田基地の様子(写真:共同通信)

 

■浄水器の使用に一定の効果

 

問題は汚染が明らかになっても、汚染源を突き止め、浄化しようという動きが国にないことだ。前出の河村さんは、「“日米地位協定”という不平等条約の壁があり、日本側が米軍基地内に立入り調査することも困難なことが一因」として、こう続ける。

 

「ドイツなど米軍基地を置く他国では、きちんと自国の権利を用いて米側と交渉し、調査を行っています。しかし日本政府は交渉しようという姿勢すらない」

 

汚染源として疑われる米軍横田基地の広報に、今後の対応についてメールで尋ねたが、期限までに回答は得られなかった。個人でできる対応策はあるのか。

 

「多摩地域住民の血液検査の調査では、浄水器を使用していた方のほうが、わずかながら検出されるPFASの平均値が低いことがわかりました」(原田さん)

 

活性炭などの浄水器は、蛇口に取り付ける安価なものでも効果があるという。東京都の担当者は、「今後もしっかりモニタリングを続けていく」とのことだが、政府と共に米軍に立入り調査を働きかけるべきだろう。

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