■与えられた環境でベストを尽くす。穴澤さんのメッセージは曲となって人の心を打つ
富山県在住でファンクラブ会長を務める星井光さんは、15年前、オリジナル曲『あの木に寄りかかって』を耳にして、心に響いた。
「父を亡くしたばかりだった私が、初めて聴いた穴澤さんの曲でした。富山で穴澤さんが参加したライブで、『父を思って書きました』演奏された、やさしい音色に号泣したのを思い出します。
いまも穴澤さんの曲に癒され、元気をもらいます。ジョギング中でも聴いているんです」
5月30日からは東京都写真美術館ホールを皮切りに、主演ドキュメンタリー映画『光をみつける』(永田陽介監督)が全国順次ロードショー公開される。
「中途失明で、心臓疾患があって、生活困窮者だった私が、なんとか演奏家として生活できています。
どこかにコンプレックスがあっても、人それぞれ与えられた環境で、ベストを尽くすことが大事。それを、ひとりでも多くの方に伝えていきたいと思っています」
穴澤さんの音が、先々で出会う人たちに、光をもたらしていく。
【後編】母は家出、父は夜逃げ 全盲のバイオリニスト・穴澤雄介さんの壮絶半生へ続く
(取材・文:鈴木利宗)
出典元:
関連カテゴリー: