政府が、来年6月に予定される所得税などの定額減税を受けられない低所得世帯のうち、所得税は納めていないが、一定以上の収入があれば課される住民税の「均等割」だけ納めている世帯には一律で10万円を給付する方針であることが判明した。
「所得税と住民税の両方が課されない世帯には、今回7万円が給付されますが、それとは別に今年3月に3万円が支給されています。しかし、“均等割”だけが課されている世帯は、この3万円給付の対象外でした。今回の+3万円は、その差分を埋める処置となります。また、低所得世帯全体には18歳以下の子ども1人当たり5万円が上乗せされます」(経済部記者)
2023年度予算の予備費を財源とする方向で調整し、早ければ来年2月から3月にかけて年度内に給付を開始する予定だ。住民税非課税世帯向けの7万円給付は、早ければ月内に支給が始まる。所得税の納税額が少なく1人当たり4万円に満たない人に対しては、差額の給付を1万円刻みで給付。1人当たり4万円の定額減税については’24年6月からの実施が予定されている。
しかし、この報道の直後SNSやネットニュースのコメント欄は紛糾。不公平感を訴える声が相次いで寄せられていた。
《年収300万くらいだけど、毎月保険や税金やなんだかんだで4分の1ほど引かれる。手取りなんてわずかだよ。ただ持っていかれるだけで。なんの恩恵もない感じ》
《持ちつ持たれつはわかるけど、他人のために働いてるみたい》
《本当に困窮している世帯にはもちろん賛成。でも不必要な所や適切に行き届かないとかは辞めてね 中間層ジリ貧になってるだけに、正しく使ってもらわないと気持ちの整理が追いつかない》
《これで助かる人がいるのは事実だけど頑張って働いても納税してるせいでカツカツな生活の方へのフォローは?それないとあかんくない?》
「昨今、このような低所得者の方が多く給付をもらえる、という方針に対して中間層の不満が爆発しています。特に、非課税世帯にギリギリならないような所得の世帯では、納税しているのに給付が受けられないとフラストレーションがたまっている様子。非課税世帯については、資産を持っているが現在の収入は少ない高齢者などが含まれることも、不公平感を増すことにつながっています。
もちろん、今回給付を受ける低所得者層の多くは本当に支援を必要としている人達です。しかし、税や社会保険料の負担が増しているなか、賃上げの追い付かない物価高により中間層の生活も苦しくなっています。政府の物価高対策が中間層にとっては不十分と感じられることや、政治と金の問題などから生じた政府に対する不信感もあいまって、怒りの声が続出しているのです」(前出・経済部記者)
岸田政権が掲げた、“分厚い中間層”再構築への道のりは遠そうだ。