経済ジャーナリスト・荻原博子さん(写真:本誌写真部) 画像を見る

個人向け国債が人気です。第一の理由は金利の上昇でしょう。現在募集中の国債は、半年ごとに金利を変える「変動10年」が1.4%、期間中金利が一定の「固定5年」が1.58%、「固定3年」が1.34%とすべて1%を超えています。2022年初頭までは最低金利の0.05%でしたから、飛躍的な上昇といえます。

 

そもそも国債を買うとは国にお金を貸すことです。金利に応じた利子を半年ごとに受け取り、満期が来たら額面どおりのお金が返還されます。株式や投資信託のような元本割れのリスクはありません。日本が破綻しない限り安心です。

 

また、発行後1年を過ぎたら、いつでも1万円から中途換金できます。中途換金しても元本は割れませんが、直前2回分の利子が目減りするペナルティがあります。

 

最近は、3月9日に日経平均株価が4千200円超下げるなど、株価の乱高下が続いています。先行き不透明な株式運用などと比べ国債の安心感も人気を後押しし、2025年度の販売額は6兆1千526億円。前年度から36.9%増加して、19年ぶりの高水準です。

 

■3大ネット証券の販売額は5年前の5倍になった

 

これまで国債は、証券会社や郵便局など対面の窓口で購入する人がほとんどでした。ですが最近は、ネット証券が大きな購入先になっています。2025年7~12月の半年間で、SBI証券、楽天証券、マネックス証券の3社の個人向け国債の販売額は約1千500億円。5年前の5倍になったといいます。

 

国債の金利は国が決めるうえ購入手数料などもなく、どの金融機関で買っても同じです。ネット証券は、自宅でいつでも購入できる手軽さが受けているのでしょう。

 

なかには、国債購入キャンペーンを行う金融機関があります。今ならみずほ証券が固定5年か変動10年を100万円以上購入した人に、購入金額に応じた現金プレゼントを行っています。ほかにもSBI証券やSMBC日興証券などでも実施中です。こうしたキャンペーンはお得ですが、証券会社が高額投資者を探すために利用してきた経緯があります。その後、投資の案内や広告などが増える可能性がありますのでご注意を。

 

個人向け国債の安全性は、銀行預金と同レベルです。しかも金利は、メガバンクの5年もの定期預金が0.7%に対し、固定5年の国債は1.58%と2倍以上。ただし「今すぐ現金が欲しい」といった融通性は、銀行預金に劣ります。国債の中途換金は申し込みから3~4日ほどかかるからです。

 

また、変動と固定のどちらを選ぶかは、今後の金利上昇の捉え方によります。金利の行く末はだれにも予測できませんが、金利の上昇局面では変動10年が有利で、逆に金利が上がらないと考えると固定5年や固定3年が安心です。

 

さらに期間も重要です。先述のとおり中途換金は可能ですが、満期で受け取るのがもっともお得。使う予定を考えて、国債を選ぶとよいでしょう。

 

【PROFILE】

おぎわらひろこ

家計に優しく寄り添う経済ジャーナリスト。著書に『65歳からは、お金の心配をやめなさい』(PHP新書)、鎌田實氏との共著『お金が貯まる健康習慣』(主婦の友社)など多数

 

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