■「事件は終わったことだから」無視された謝罪要求
釈放後も、るなさんの体調は回復しなかった。人を恐れるようになり、母親が少し離れるだけでパニックになることもあったという。
「誰にも会いたがらないし、笑うこともなくなりました。夜は毎晩うなされていました」
それでもるなさんは、障がいのある利用者たちを気にかけていたという。
逮捕される前のるなさんについて、母親は「天真爛漫な子で、利用者さんと一緒によくショート動画を見ては、歌ったり踊ったりしていた」と振り返る。
「娘は小さいころから利用者さんたちと一緒に育ったようなものです。本当に大好きだったんです。『高校に進学したら』と勧めたけど、『私はこの仕事がしたい』と娘が言うので認めてしまったんですよね……」
るなさんは車いすに乗りながらも、母親とともに3度、明石署を訪れたという。
「悪いことをしていないのだから謝ってほしい」
その一心だった。しかし母親によれば、警察側からは「事件は終わったことだから話すことはない」という趣旨の説明を受けたという。
「間違いだったと認めてもらえていたら、娘の生きる力になったかもしれません」
その後も母親は懸命に看病を続けたが、るなさんは昨年12月14日、県内の総合病院で息を引き取った。直接の死因は低栄養状態だったという。体重は20キロほどまで減っていた。
さらに母親は、事件後、「虐待ではないか」と通報した元利用者のBさんから謝罪の手紙を受け取ったと明かす。
「Aさんのあごに手を添える程度の行為だったのに、役所や警察には大げさに伝えてしまった。オーバーに言ってしまってすみませんでした――そう書かれていました」
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