■なぜ災害大国・日本の避難所は変わらない?
では、なぜ毎年のように災害が起きる日本で、同じ問題が繰り返されるのか。
浅野さんは、「日本の避難所をめぐるシステム自体を変える必要がある」と指摘する。
「現在の日本では、発災後に必要となる物資は、基本的に『市町村で用意する』という仕組みになっています。しかし、市町村によっては予算も少ないし、人材も足りない。段ボールベッドやパーティションなどを大量に備蓄するには、保管する場所も必要です。すべて市町村任せでは難しいんです」
一方、海外に目を向けると、驚くほどの違いがあるという。
「たとえば、日本と同様に災害が多いイタリアでは、国が何カ所かに大量の資機材を備蓄しています。災害が起きたら、それを被災地に運んで展開する。そういう仕組みにしない限り、いつまでたっても必要な物資がすぐに届くようにはならないと思います」
イタリアでは、国の市民保護局が中心となり、全国の備蓄拠点から被災地へ資機材を運ぶ。発災から48時間以内に、トイレやシャワー、キッチン、簡易ベッド、冷暖房付きテントなどを備えた避難所を展開する体制が整えられている。
だが、浅野さんは「物さえあればいいわけではない」と話す。
「物を運べば終わりではありません。それを誰が、どう展開するのかという問題もあります。日本では物資を運んでも、いわゆる“ラストワンマイル”、最後の被災者まで届かないことが起きています」
そのため、国や都道府県が資機材を備蓄するだけでなく、自治体、企業、民間団体、災害ボランティアが平時から連携し、災害時に動ける体制を整えておく必要があるという。
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