9日、都内で、映画『星守る犬』の完成披露記者会見と舞台挨拶が行われた。舞台挨拶には、主演の西田敏行(63)をはじめとする出演者の玉山鉄二(31)、川島海荷(17)らが登場した。本作は『とにかく泣ける』と評判になったコミックを映画化したもので、ワゴン車のなかで人知れず亡くなっていた熟年離婚した主人公と愛犬ハッピーの軌跡を、1人の青年が辿っていく物語となっている。熟年離婚だけでなく、リストラや孤独死といった現代社会が抱える問題を背景にしていている。大阪へ向かう新幹線の中で原作を読んだという西田は「浜松でほぼ号泣していまして、名古屋で『この仕事をやる!』と決めていました。そして大阪に着いた頃にはハッピーのおとうさんの気分になっていた」と語った。玉山は「泣けて、心が温まる映画になった。猛暑の撮影で、自分にとっても特別な作品になりました」と撮影を振り返っていた。本作は昨年の夏に東北でロケが行なわれたが、西田は「はからずも大震災前の東北のロードなどが記録される形になってしまった。特にいわきの長崎海岸は子どもの頃、ボクが遠足で行った海岸で思い入れもたくさんあるので本当に複雑で切ない気持ちです」と語った。(撮影:鈴木高宇)