3月12日、映画『ワンチャンス』ポール・ポッツ氏来日プレミアイベントが都内で行われ、英国オペラ歌手のポール・ポッツ(43)、監督のデヴィット・フランケル(54)、プロフィギュアスケーターの荒川静香(32)、ポップオペラ歌手の藤澤ノリマサ(31)が登場した。荒川は、’06年のトリノ五輪で演技曲として使用した『トゥーランドット』について「この曲は2度私の人生を変えてくれた」と今まで歩んできたスケート人生を振り返った。
本作は、ポール・ポッツ氏の “夢を追い続けた” 子供時代からオペラ歌手になるまでの半生を描いた作品。作品について問われると、ポール・ポッツ氏は「人生ではいろいろな事が起こるけれど、周りの人の支えによって前に進むことが大切だ」とコメント。デヴィット・フランケル監督は「この作品はラブストーリーに感じる。相手を信じ、愛を確かめることで、お互いを高めていくことが人生には必要」と作品に込める思いを語った。
また、ポール・ポッツ氏と“縁”が深い荒川は、「大学4年生の時に、社会に出ることを考えて、スケートを最後に滑るのは世界選手権だと思っていました。それが最後にならなかったのが、『誰も寝てはならぬ』でした」と世界選手権でチャンピオンになった曲について話し、続けて「さらに2年続けることになった時、そのシーズンでは別な曲を使っていたのですが、最後は好きな曲で滑りたいと思い、再び『誰も寝てはならぬ』を選んだらオリンピックで金メダルをとることができました」と語った。
さらに、当時は自分の選んだ人生が正しかったのか、この先どうなるかといった漠然とした不安を募らせていたことを明かし、トップスケーターゆえの葛藤があったことを吐露。最後は、「これまでスケーターとして続けてこられたのは、周りの人のサポートがあったから。今の自分が置かれた環境で最善を尽くすことが大事」と笑顔でコメントし、改めて支えてくれた人々に感謝の意を述べた。
同イベントでは、実際にポール・ポッツ氏が『誰も寝てはならぬ』を披露。ポール・ポッツ氏の美しい歌声が会場を包むと、目に涙を浮かべる観客の姿もあった。また、藤澤とポール・ポッツ氏が『ムーン・リバー』でデュエットすると、会場からは歓声と温かい拍手が送られた。
※映画『ワンチャンス』2014年3月21日よりTOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー
(撮影/夛留見 彩)