隔週連載“中山秀征の語り合いたい人”。今回は『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』等、個性的な衝撃作を世に送り続ける映画監督、園子温氏(52)。’93年、秀ちゃんが司会をしていた『もっと過激にパラダイス』(NHK・BS)に園監督が出演して以来、20年ぶりの再会となった。

中山「園監督は2年前にご結婚されましたよね。奥さまは監督の映画にも出演されている20歳年下の神楽坂恵さん。結婚生活はいかがですか?」

園「それは夜の生活ってことですか?(笑)いやー、平凡だよなぁ。これ、全然面白い話がないんですよ。変態的なところがないんですよね。今は事務所を作って、彼女が社長なので、何もかも縛られてますよ(笑)。耐え忍ぶって感じですね」

中山「あ。忍びの域ですね。言いたいことを全部言うと、夫婦はうまくいかないと思うんですよ。僕はほぼ言わなくなった(笑)」

園「まだまだ先輩には追いつかないですけど、僕も忍ぶようになってきました。前は言いたいことも言えたのに、徐々に……」

中山「結婚当初、僕は亭主関白で、言いたいことも言っていた。『三歩下がってついてこい』だったのに、あるときに並びだし、あるときに抜かれ、16年たった今では、見えなくならないように必死で追いかけてる(笑)」

園「ウチはもう並んでいるか、彼女が1歩先にいますね。2年目でこれですから、速度は速いですよ。僕は仕事がスパルタなので鬼監督で通ってたんですけど、私生活を共にすると『ベイブ』が好きだったり、動物に“にゃー”ってメロメロになってるのがバレちゃって、そうするとダメですね」

中山「日常ってキャラ立たないですもんね。その辺りが園監督も人間らしいですね」

園「もう1回監督と女優に戻れば、かつての立ち位置に戻れるんじゃないかって思うんですよ。厳しく演出しますし、ワイルドな作品に出します」

中山「現場ではできても、家に帰ったときに『なんなのあれ?』って、逆ダメ出しみたいなのがあるかもしれないですよ(笑)」

園「え、そんな悲しいことってあるの?僕、撮影期間だけ離れて住みますわ。『違うんだよぉ〜』とか言い訳したくないし(笑)」

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