大人気NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』。暗い時代を乗り越えるべく、奮闘するめ以子が考える料理の数々。物のない中、少しでも美味しいものを作ろうとする、彼女の工夫は現代の私たちにも示唆を与えてくれます。そんな『ごちそうさん』もそろそろ最終回。そこで、出演者に印象的だったメニューを聞いてみました。
【杏・ハモづくし】
「天神祭のハモづくしは美味しくて、やっぱり関西の料理だなあ、と。一流のスタッフが入手してくださったハモは、東京では見たことのない大きさ、身の厚さでした。湯引きしただけのものも美味しかったのですが、甘辛く味付けしてご飯と炊いたものも絶品。そして、ハモのちらしずしが最高でした」
【東出昌大・ハモニカ(肉)】
「『ハモニカ』とは何なのか、試しにめ以子が作ったものです。撮影後、め以子と希子と一緒に夢中で食べました。そのときふと、『このドラマは食べ物があるから、現場で出演者たちが仲よくなっていくんだろうなあ』と思ったんですよね」
【宮崎美子・白ご飯+白味噌の味噌汁+ぬか漬け】
「大阪編の当初、よく食卓に出た3点。和枝ちゃんとのいがみ合いでちゃんと味わえていなかったかもしれませんが(笑)。白味噌の汁は初めていただき、たいへんよく合うセットでした。でも戦争で白ご飯が麦飯になり、味噌がなくなって……。平和で、ご飯と味噌汁、ぬか漬けのある食卓は幸せとよくわかりました」
【高畑充希・柿の葉ずし】
「柿の葉寿司は好きでふだんからよく食べるのですが、撮影で食べたものは、今まででいちばん美味しかったです。小さく食べやすく、数日前から仕込んでいるのも見ていたので感謝もわいて。物語上、出続けたこともあり、みなさん少し飽きていた様子でしたが、私はあと1カ月くらいサバづくしでもよかった(笑)」
【和田正人・塩むすび】
「劇中を彩る料理の中で最もシンプルで、最も日本人の心に染みる塩むすび。口に入れた瞬間、米本来の甘味と程よい塩加減が唾液を刺激し、ウサイン・ボルトがいきなり9秒5台を出したときと同じ衝撃でした。米、ひと粒ひと粒が舌の上で感じ取れる『舌の触感』という新しい味覚を開花させてくれました」
【ムロツヨシ・焼き氷】
「生まれて初めて食べた焼き氷。ブランデーと梅の味が交じり合って、氷との相性が素晴らしかった。『どこかお店で出してください』とお願いしたいくらい。一気に食べる場面がありましたが、素で美味しがっております。何杯でもいけます。お願いです。もう一度食べさせてください。どうかお願いです!」