この春、ドラマを盛り上げているのがインパクトのある脇役たちだ。そこで本誌は佳境に入ったドラマの脇役にインタビュー。その魅力に迫った。

「ひたむきな好青年の涙に心がわしづかみされました」(45歳主婦)と声があがるのは、『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS系・日曜21時〜)の天才ピッチャー沖原役の工藤阿須加(22)。

 オーディションで沖原役をつかんだ工藤は、あの西武や巨人で活躍した名投手・工藤公康氏の長男。ところが、本格的な野球経験はない。そこで、ピッチングは父の公康氏から直伝してもらったという。

「役が決まったときはうれしかったです。同時に野球経験者に見えるようにどう役作りするか真剣に考えました。(父からは)体重移動、力の入れ加減など基礎的なことを教わりました。元々プロテニスプレーヤーを目指していたので、体の使い方など共通する部分もあり、父の話は素直に理解できました」(工藤・以下同)

 高校3年のとき「役者になりたい」という夢が芽生えたという工藤。

「両親に猛反対されました。2年後、父に呼び出されて、『お前も20歳になるのだから、一人の男として自分の道を決めろ』と言われたんです。真剣に考えたうえで、『役者に挑戦させてください』と伝えると、『お前が決めたことなら許す』と認めてくれたんです。今回、父も放送を見て『おもしろい!こんなに見入ってしまうドラマは久しぶりだよ』と喜んでくれました」

 現場では130キロを超える速球を投げ、みんなを驚かせた。24日には父に縁のある西武ドームで始球式も務めた。

「真面目で口数は少ないけれど、内に強い思いを秘めている不器用な沖原は、共感できる部分が多いです。男たちがもがき苦しみながら、諦めないで闘う姿が見どころです」

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