「浅草って、街全体が親戚みたい。普通に歩いているだけなのに、『兄ちゃん、持っていきなよ』って人形焼をくれたり。そういうあったかい感じは、ほかの場所ではあじわえないものですね」

 人情をテーマにした不良映画『ガキ★ロック』(6月28日公開)で主演を務めた上遠野太洸(21)。浅草寺の参道を散策していると、撮影中の出来事が記憶によみがえる。

「このそば屋さん、共演者と何度も行きました!おいしいんですよ」

 声も弾む。これまで優等生役が多かった彼が、今作では、金髪姿でケンカアクションを初披露した。かなりの新境地。

「僕が演じた源は、ケンカっぱやくて、涙もろくて、女と見たらすぐほれては傷ついて。“現代の寅さん”と聞いたとき、僕がやるの?とかなり意外でした(笑)。最初は戸惑いましたけど、やっていくなかで徐々に近づけていくというか、見つけていく過程が楽しかったですね。自分、こういう暑苦しくて、男くさい感じ、けっこう好きだなあって発見もあって。相手が誰だろうと、間違っていることは間違っていると言える源が、羨ましくもあり、今、自分がそいつなんだと思うと、演じていて気持ちよかったです」

 今回、映画の撮影で使われた煮込み屋さんを再訪。念願の牛すじを前に興奮ぎみ。

「撮影のときこの鍋をずっと見ていたんです。でも、食べたことはなくて、おいしいんだろうなあ、って(笑)。煮込みに、ジョッキでオレンジ、サイコー!」

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