着物姿の人が座布団に座って、扇子と手ぬぐいを使いながら、さまざまな人を演じ分け“オチのある噺”を披露するーー時代もセットも関係なし。いつでも異空間に連れて行ってくれる落語。

 そんな、落語のすばらしさは若者たちの間にも浸透し、寄席に来るお客さんも増えているという。しかし、一方では「落語はまだまだ敷居が高い」と思っている初心者も。そこで、お笑い大好きのハーフタレント・春香クリスティーンさんが、その魅力を教えてくれた。

【魅力1・人を攻撃しない感じ】
「落語家さんを知ったきっかけは『笑点』なんです。他人を落として笑うんではなくて、自虐的な笑いというか、人を攻撃しない感じがステキだなと思って。桂歌丸さんの60周年記念興業にも行きました」

【魅力2・ぼーっと聞くだけで気持ちいい】
「寄席は、落語以外の芸も含めて4時間くらいやっていて、その異世界の中で、ただぼーっと聞くことができる(笑)。演劇だと2時間しっかり考えながら見ないといけないけど、区切りもあるし、何も考えないで見られるというか。途中から入ることもできますよ」

【魅力3・その場で特徴と違いがわかる】
「寄席に行けば、いくつもの演目が見られて、まったく知らない落語家さんでも、見ているとそれぞれの特徴や違いがわかるんです。そのなかで『私はこっちのほうが好きだな』とか『この人の違う演目も見てみたいな』というふうに、どんどん広がっていきますよ」

【魅力4・ひとりで行ける】
「大学の帰りに寄ることが多いんですけど、ひとりでも行きやすいですよ。ふらっと入って聞き始めればいいので(笑)。映画を見るのと同じ感覚です」

【魅力5・タイムスリップできる】
「古典落語は、ストーリーが昔のままずっと受け継がれていて、それをその場で聞けるなんて貴重じゃないですか。タイムスリップした気分というか。昔のことといっても、人間の感情や生活の中で感じることは今と変わらないんだなって、ほっとしたりもします」

【魅力6・生!】
「テレビや映画も好きですけど、落語のほうが生じゃないですか。ただただしゃべっているだけですけど、話し方や演じ方、盛り上げ方、ストーリーの伝え方が人それぞれ。そこがおもしろいから、オチを知っていても楽しめるんです」

【魅力7・空間と空気を共有し合える】
「寄席では、みんな時代を超えて落語の世界に入れるのが楽しいんですよね。非現実にもいけるし。ちょっとした間の笑いとか、同じ場にいる人たちと空間を分け合っている感じもいいんです」

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