「『花子とアン』のときに吉高由里子さんをずっと見ていたので、『私にもついにきたか、ハードスケジュール』って(笑)。でも、ここで息を抜こうって思えば、昼休みにちょっと焼き肉を食べに出かけるとか、おいしいものを見つけて楽しむようにしています。とにかく“希”として生きる、今はそれだけですね」
そう話すのは、3月30日からスタートのNHK連続テレビ小説『まれ』でヒロイン「希(まれ)」を演じる土屋太鳳(20)。真面目で正義感が強く、愛情深い女のコ。でも不器用だし、意外と甘えん坊だったり、ヘコみやすかったりする。これが土屋が考えるヒロイン「希」だ。
「愛情を持って人に接するし、自分と一緒にいる人に楽しくなってほしいと思う気持ちが『希ちゃん、素敵だな』って。でも、最近の撮影では、感情よりも先に言葉が出ちゃう場面も多くて。私自身、ちょっと似ているところがあるので、『お互いに気をつけようね』って感じです(笑)」
そんな土屋が、「まれ」の見どころを語ってくれた。
【田中裕子さんの目】
希の一家と一緒に住むことになる塩田職人の妻を演じるのが田中裕子。
「撮影中、裕子さんの目を見ていたら、感情がぶわっとあふれてしまったことがあったんです。全然、そういうシーンじゃなかったのに。こんなにも人の目って、すごく力強さがありながら、すごく切なさも表現できるんだなあって。裕子さんの目には、いつも刺激を受けています」
【“能登はやさしや土までも”】
「人が温かくて、光が柔らかくて、自然の色が温かくて……“能登はやさしや土までも”という言葉どおりですね。希は、能登で自分探しをしていくんですけど、本当の自分って、じつは自分自身がいちばんわかっていなかったり。そんなとき、自分の気持ちに気づかせてくれるのは、出会いなんですね。個性の強い人たちとどう歩んでいくか、楽しみです」
【お菓子作りのリズム】
希にとって、家族の幸せを象徴するのがケーキ。パティシエになる夢はここから始める。
「製菓指導の辻口博啓さんはロックな方で、ケーキ作りも手だけを動かしていたら疲れちゃうので、ひざを使ってリズムをとって『ダンスと一緒だよ』って。希もこうやっていろんな人と出会って、新しい発見をして、知らない気持ちを知っていくんだなって思いました」
【キラキラしているお父さん】
山っけが強く、仕事が長続きしない父(大泉洋)を反面教師に、地道に生きようとする希。
「希は、お父さんに『ちゃんとして!』と怒るけど、キラキラしているお父さんは好きだし、お母さんを本当の笑顔にできるのは、夢を見ているお父さんだけってことにも気づいて。だから自分の夢は諦めて、公務員になって家計を助けようとするんですけどね」