7月25日、26日放送の「FNS27時間テレビ2015 めちゃ×2ピンチってる!~本気になれなきゃテレビじゃないじゃ~ん!!~」(フジテレビ系列)で勃発した“BMW破壊事件”。平成ノブシコブシの吉村崇(35)が自身の2000万円もする愛車を、相方の徳井健太(34)と共に足蹴にしたりボディに飛び乗ったりという暴挙に出たアノ事件である。

この行動が視聴者から「これは醜い」、「車を破壊して何がおもしろい?」という声があがるいっぽう、「吉村がかわいそう」という同情の声も聞こえてくる。視聴者のコメントから浮き上がるのは、ノブコブ吉村叩きではなく、フジテレビ叩きなのだ。

 芸人仲間からは「フジテレビの制作サイドの企画力のなさが露呈しました」と嘆き節が聞こえてきた。その言葉は、見事に昨今のフジテレビの凋落ぶりを証明している。

 長寿番組「笑っていいとも」を切った時点で、奈落の底への階段は始まったといわれており、4月に始まったばかりの「水曜歌謡祭」は秋の改編で深夜枠へ移動、ドラマ「HEAT」の視聴率は6%を記録するなどダダすべり。情報番組「グッディ」も1%を記録するなど、ある意味、スゴイ記録を更新中だ。

原因はドラマ「踊る大捜査線」をヒットさせた亀山千広社長と言われている。ドラマ畑出身の経営陣の力が強すぎ、“笑い”を理解できる制作陣が育たないというのだ。

冒頭の「27時間テレビ」も同様で、マンネリ化が進んでいる。改革を迫られているが、打破できる制作陣が揃っていない。そのため、笑いの構成を芸人に頼らざるを得ず、吉村の“破天荒キャラ”に頼った結果が、今回の“事件”となったようだ。
 
現場では、キャラに沿って愛車であるBMWを痛めつけるという行動に出た吉村。だがそれは、フロンドガラスが割れたことでドン引きした空気を立て直すため。吉村はさらに破天荒キャラを全開にしたが、時すでに遅し。車は傷み、周りはドン引きするなど、まったく笑いにつながらなかった。

 これを受けてダウンタウンの松本も自身の番組で「丸投げで雑に扱っているのが、なんかねぇ。もうっちょっと愛を持ってやってほしい」と疑問の声を投げかけている。このままではますます、フジテレビと芸人の亀裂は深まりそうだ。

(文・中西美穂)

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