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「松竹は4月10日までに結論を出す予定で、海老蔵さんと話し合ってきました。最終的に延期の方向で決定していたのですが、7日に緊急事態宣言が発令されることに。海老蔵さんは京都でのドラマ撮影が終わるとすぐに東京へ戻り、発表することになりました」(梨園関係者)

 

4月7日、市川海老蔵(42)の『十三代目市川團十郎白猿襲名披露』が延期になったと松竹から発表された。延期となるのは、5月から7月にかけて行われる予定だった歌舞伎座での襲名披露興行。それに伴い、11月の福岡・博多座から1年かけて行われる予定だった地方公演の日程も練り直しとなる。

 

もともと6月には長男・勸玄くん(7)による八代目市川新之助のお披露目も行われる予定もあり、親子同時襲名が話題になっていた。また7月には長女の麗禾ちゃん(8)が市川ぼたんとして、女性としては異例の歌舞伎座出演を果たすことになっていた。市川家総出となってのお祝い事となるはずだった今回の襲名披露興行。延期の決定に至るまでには、水面下での激しいせめぎあいが続いていたという。

 

「新型コロナウイルスが猛威を振るう3月下旬、東京都から松竹へひそかに『5月6日までは公演を自粛してほしい』という要請が来ていました。松竹は、5月3日からの團十郎襲名披露興行を4年かけて準備してきました。当然、是が非でもやりたいところです。しかし東宝など、ほかの大興行主が次々と自粛を決定。さらに先行きが見えぬなか、松竹もついに苦渋の決断を迫られることになったのです。最終的には、海老蔵さんも含めた会議で決定しました。海老蔵さんは周囲に『厳しい話ばかりじゃなく、誰か吉報を持ってきてくれないか……』と漏らしていたそうです」(前出・梨園関係者)

 

断腸の思いで延期を自ら決断した海老蔵。團十郎襲名という35年ぶりの一大イベントを、松竹とともに並々ならぬ思いで準備を進めてきたという。それだけに、落胆は大きかった。

 

「公演初日には安倍首相や天皇陛下などにもご臨席いただけるよう、お願いしていました。そうしたスケジュールの再調整だけでも、困難をきわめます。また、金銭的な面でも大打撃です。海老蔵さんの父である先代が團十郎を襲名した際も3カ月にわたって公演が行われ、興行収入は30億円にものぼりました。今回は東京五輪も重なっていたため、当時を上回るともいわれていました。それが、すべて吹っ飛んでしまったのです。時期をずらして行うとはいえ、それまでの収益がゼロになるわけですから……。影響は周囲にも広がっていて、歌舞伎を支える三味線や大道具の方々も悲鳴を上げています。長期にわたって仕事に穴があくことになり、『このままでは廃業してしまう……』と言う人もいました」(前出・梨園関係者)

 

だが決して、これで終わりではない。これからも海老蔵の闘いは続きそうだ――。

 

「女性自身」2020年4月28日号 掲載

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