今回の会見は遅すぎる対応が1つ問題だったわけですが、こうしたタイミングを逃した際の謝罪会見である種の“巻き返し”を狙うなら抑えるべきポイントがあるように思います。
【1】対応が遅れた理由
まずはタイミングを逃した理由について正々堂々と謝罪することで、多くの人に「誠実に反省を今からする」という印象を残すことができます。
今回であれば年末特番への出演がきっかけであること、またしれっと出演復帰をしようと一度は考えていたことなど。
「復帰報道が話題になってのことではない」といった弁明をしていましたが、多くの人は「白々しい釈明」「まだ嘘をつくのか」といった印象を持ってしまいました。
そういう意味でも、全部しっかりと洗いざらい話したほうがよかったでしょう。
【2】妻への愛
俳優の東出昌大さん(32)の会見でも話題になりましたが、「妻を愛していますか?」といったフォーマットの質問にはきちんと誠実に「愛している」と答えることが大事です。
今回の会見では「奥様は改めてどんな方ですか?」という質問に対し、「僕がこんなことをしてしまったせいで、好気の目で見られてしまうのに現場で気丈にふるまっている姿を聞いて、本当に心苦しいですし、深く深く反省しています。これからの人生で少しでも信頼を回復したいなと思っている」と彼は答えていました。
ダメではないですが、やはり反省よりもここは愛。「愛しているから頑張ります」という気合押しをすることで、もう周りがとやかく言えない空気を作ることができるのではないでしょうか。
【3】今後の見通し
こちらはある程度伝えていたかもしれません。やはり謝罪会見をしたからには、きちんと今後の見通しについても話しておいた方が、より誠実さを示すことができるでしょう。
今回であれば、年末特番への出演。その点については、明言できるようにしておいた方が良かったかもしれません。
こうして書いていると、とにかく謝罪会見で大事にされるのが「誠実さ」です。誠実に対応する、謝る、出来ることをする。ピンチのときほど人間性があらわになるからこそ、テクニックや裏表のない清らかな対応がその身を救うのかもしれない。そんなふうに思います。
そもそも不倫一発で退場という芸能界の空気も個人的には好きではないですし、謝罪会見や復帰の仕方によって空気を作ることができるというのもやや疑問はあります。
もはや芸能人というのは、存在全てが芸でないといけない時代。それは割に合うのだろうか……と、彼の泣きそうな顔を見ていると疑問も覚えるのでした。
(文:おおしまりえ)