■「絶対に真似をしないようお願いします」
食べ物や飲み物から摂取されるナトリウムは、主に汗や尿となって体外へ排出される。だが水分を過剰摂取することで、この作用を担う腎臓の機能が追いつかなくなってしまうといい、名取氏はこう解説する。
「水を大量に摂取すると、腎臓は余分な水を尿として排出しようとしますが、そのときにどうしてもナトリウムを尿中に喪失します。水分で血液が希釈され、また尿中にナトリウムを喪失しますので、低ナトリウム血症となります。急激に低ナトリウム血症となると、血液の浸透圧が低下し細胞内に水分が移動します。とくに脳細胞に水分が移動すると、脳浮腫となってさまざまな神経症状が生じます」
それでは、1日に11リットルもの水を飲むにあたって、安全な方法はあるのだろうか?
名取氏は、「1日11リットルの水を飲むだけなら、ゆっくりゆっくり飲めば、腎臓が尿として水分を排泄しますので、低ナトリウム血症に陥る危険は少ないでしょう。ただ、断食と組み合わせるのがよくありません。ナトリウムの摂取がないのでナトリウムが不足します」と話す。
その上で、海老蔵のデトックス方法について、こう警鐘を鳴らす。
「腎臓や心臓に持病のある人はさらに危険性が高いと思われます。絶対に真似をしないようお願いします。危険が大きいわりに効果があるのかないのかわからないので、危険を冒してまでやるようなものではありません」
海老蔵にとって、「キツくてもやる価値がある」という水生活。幼い麗禾ちゃん(10)や勸玄くん(9)のためにも、健康を損なわないよう留意してもらいたい。