■小栗が頼った大河界の“レジェンドたち”
西田敏行(75)は過去、大河ドラマ14作品に出演しており、『翔ぶが如く』『八代将軍吉宗』『葵 徳川三代』の3作では主役を演じている。前出の制作関係者はこう語る。
「西田さんは50年以上のキャリアがありながら『挑戦をやめれば役者は終わり』だと常に意欲的。
『新・平家物語』(72年)では北条義時役を演じていたこともあり、『鎌倉殿』での共演の際、小栗さんは義時役について意見を伺いに行ったそうです」
大河のレジェンドから触発されたところは大きかったはずだ。
「『鎌倉殿』の撮影の前半戦では、西田さんをはじめ、松平健さん、佐藤浩市さん、草笛光子さんなどベテランが多く、シーンによっては小栗さんが最年少になることもありました。大先輩たちの熱演を見て『毎日が勉強です』と話すことも多かったと聞きます。
しかし、大泉洋さん演じる頼朝が亡くなって義時が“闇落ち”する後半戦では、座長として若い出演者たちを鼓舞する頼もしい姿がよく見られるようになりました」(前出・制作関係者)
小栗の成長の背景には、心強い味方がいたようだ。
「公私ともに仲がいい渡辺謙さんに、折に触れて相談していたようです。小栗さんはハリウッド映画初出演となった『ゴジラvsコング』(21年)では、同シリーズ前2作で渡辺さんが演じた芹沢猪四郎博士の息子役を演じました。
その際、クランクイン前に渡辺さんと一緒に食事してアドバイスを求めたそうです。渡辺さんに『いつもどおり、やってくれればいいんだよ』と言われ、気が楽になったと聞きました。大河ドラマでも、小栗さんは出演8作目となりますが、初の主演。渡辺さんは『独眼竜政宗』と『炎立つ』の2作で主演しており、座長としての立ち振舞い方を聞いていたそうです」(芸能関係者)
『鎌倉殿』のクランクアップ時、小栗はこう語っていた。
「この作品に参加できたことで、ある意味で演じるということを超えて、人間を表現するということがわかった気がしました。この1年5カ月で、RPGで言えば8レベルぐらい上がった感じ。使えなかった魔法が2つぐらい増えたような……」
12月26日には不惑を迎える。40代を見据えた小栗の新たなる野望とは――。
「小栗さんは『俳優のための労働組合を作りたい』と提言するなど、若手俳優たちを牽引するリーダーシップを発揮してきました。また近い将来、自らの所属事務所社長から、その座を“禅譲”される予定だともいわれています。
これまで大河の主役を複数回経験した俳優たちのデータを見てみると、主演は4~5年ごとが多い。小栗さんも5年後には再登板の可能性が十分あると思います。大河主演と事務所社長という前代未聞の重責を担うということもあるかもしれません」(前出・NHK関係者)
2度目の主演で、小栗が演じたい役柄はあるのだろうか。
「小栗さんは誰もが知る歴史的人物より、できれば今回の義時のように、まだあまり一般には知られていない歴史上の人物で主役を演じたいそうです。『まだ色のついていない人物のほうが芝居していて楽しいから』と聞きました」(前出・NHK関係者)
同じ義時を演じた西田の背中を追って、小栗は2度目、3度目の大河主演を目指すーー。