■「ネコとうまくつきあうには、ネコかわいがりしないこと」
高見「たとえば、ネコと上手につきあうコツみたいなものってあります?」
赤塚「ネコに限らず、俗に言うペットを、みんなはそれこそネコかわいがりするだろ。ところが僕は、ぜんぜんそういうことをしない。悪いことをしたら、そばにいても知らんぷりしている」
高見「……ああ」
赤塚「つまり、ネコと飼い主が同居しているけれど、要するに餌を与える以外は、抱いたりとか、かわいがったりとかは一切しない。もう野生のまんま飼っているの」
高見「ネコにも自由を与えているわけだ」
赤塚「だから、うちのお勝手のドアには穴があけてあるんだけど、アイツは、そこから勝手に出たり入ったりしているわけさ。それで、3日も4日も、長いときは1カ月も帰ってこなくても、僕は心配しない」
高見「つまり、先生は菊千代の人格……じゃない“ニャン格”を誰よりも認めているんだ」
赤塚「僕は、そういうかわいがり方もあると思うのね」
高見「私も同感ですね。人間の子供もそうですけど、過度の愛情は、迷惑すると思いますよ」
赤塚「そうなんだよ。部屋のなかにとじ込めてね、リボンをしたり、美容院へ連れていくとか、そういうことって、不必要なのね」
高見「結局、ああいうのって一種の飼い主の見栄なんですよ」
赤塚「とにかく、自然に飼わなきゃ動物じゃないんだよ。だからバンザイでもなんでも、別に仕込んだわけじゃないんだ。でも……あのバンザイのおかげで、1年間に400万円稼いだよ」
高見「ハッハハハ、すごい!」
赤塚「テレビのコマーシャルに2本出たんだよ、去年」
高見「そういえば、国鉄のコマーシャルやってましたね」
赤塚「実は、あのときの出演料が、アイツが150万で俺が50万なんだよ。バカにしてるよな」
高見「アッハハハ」