Netflixと競合する動画配信サービスのAmazonプライム・ビデオも負けていないと、前出の映像制作関係者は続ける。
「’23年の3月に配信が始まったドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』の制作費も1話9千万円ほどといわれています。
主演を務めたのは、米倉涼子さん(47)で、出演料は1千万円近いとの報道も。フィリピンや韓国でロケを行ったそうです。動画配信サービスの作品はテレビ局の連ドラと比べて一日の撮影量が少なく、スケジュールに余裕をもたせているため、拘束日数が増えて、人件費もかかる傾向にあります」
動画配信サービスに次いで潤沢な制作費がかけられているのは、NHKの看板番組である大河ドラマだ。NHKが公表している「収支予算と事業計画の説明資料」(令和5年度)によると、1話あたりの制作費は約7千900万円。
「NHKの過去の出演作への貢献度で定められる同局の出演料は、民放に比べて2~3割程度低い傾向にあります。しかし時代劇の撮影には、セットや衣装などに莫大なお金が必要になります。
朝ドラも同様で、1本1千350万円ほどで、1週間で7千万円近くの制作費がかかっています」(テレビ局関係者)
民放で放送されている連ドラの制作費は、テレビ局によって差が。
「昔から“ドラマのTBS”と言われるほど、TBSはドラマ制作に力を入れてきました。現在でも『日曜劇場』以外の連ドラでも3千万~4千万円で制作しています。いっぽうでTBS以外の各局ではドラマ制作費の大幅な削減が進んでいるそうです。
’90年代に『月9』に1話5千万円をかけていたフジテレビもいまでは、3千万~3千500万円でドラマを制作しています。
そしてテレビ朝日が2千万~3千万円、日本テレビが2千万円ほど、テレビ東京が800万~1千万円で作っているといいます」(前出・テレビ局関係者)
深夜ドラマの予算はさらに少ない。前出のテレビ局関係者は言う。
「1本300万~500万円で作られているそうです。なかでもテレビ東京の人気深夜ドラマ『孤独のグルメ』は1本200万円という“超低予算”で制作されており、松重豊さん(60)へのギャラは30万円ほどだとか」
連ドラの面白さは必ずしも制作費に比例しないのか!? 『VIVANT』の真価が問われるーー。