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《今まで、うちに出入りした子供たちは20人くらいでしょうか。現在はひとり、事情があって住む場所が見つからない大学を卒業したばかりの女の子をわが家に居候させています。外泊したりバイトで帰りが遅くなったりすると、やはり心配ですね(苦笑)》

 

9月17日に配信された「Web eclat」の記事で、里親活動について明かしたのは佐藤浩市(62)。

 

佐藤といえば、一人息子の寛一郎(27)が大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演するなど俳優として活動していることもよく知られている。

 

「佐藤さんは5年以上前から、『里親制度』を活用し続けているのです。きっかけは元女優の妻・亜矢子さん。多忙かつ“有名俳優”である夫を気遣って最初はなかなか言いだせなかったそうですが、佐藤さんは『いいんじゃない?』と意外にも即答でOKしたそうです」(スポーツ紙記者)

 

佐藤夫妻が利用する里親制度とは、乳児院や児童養護施設の子供たちを週末や夏休みなどの間に預かるもので、東京都では「フレンドホーム」と呼んでいる。

 

里親活動の支援などを行う一般社団法人「明日へのチカラ」代表理事・岩朝しのぶさんが語る。

 

「里親と聞くとかまえてしまう方が多いですが、躾をするような関係性ではないので、親というよりはおじさん、おばさん的な立ち位置で子供たちと接します。1週間ほど預かるケースが多いです。

 

子供たちにとっては、一般家庭では当たり前のことも未体験といったことがよくあります。たとえば、施設ではおすしなどの生ものを食べる機会はありません。そのため里親の家では子供たちからは、回転ずしに行ってみたいというリクエストもあるそうです。

 

佐藤さんのような著名人が発信してくださることは、制度利用のハードルを下げるという意味でも大変ありがたいと感じています」 子供たちを迎えることは、佐藤にとってもいい意味で“変化”をもたらしているようだ。

 

佐藤家にやってきたある女の子は、ふだん会話をすることがほとんどなく、小さな声しか出せなくなっていたという。佐藤は彼女との日々について、10月3日配信のWeb「東京すくすく」でこう語っている。

 

《最初は蚊の鳴くような声だったけれど、だんだんこちらが離れたところにいても聞こえるようになってきて。あいさつもできるようになって。笑顔が見られたときには、喜びを感じましたね》

 

《昭和の人間ですからね。どうしても『ああしろ、こうしろ』『こうじゃなきゃ駄目だ』と強く言ってしまっていた。それが自分の子育ての反省点だったので、それは繰り返したくなかった》

 

里親活動を通じて、夫婦の会話も増えているという。亜矢子さんとの結婚生活は今年で30周年だ。夫人の知人が語る。

 

「2人が出会ったきっかけは、亜矢子さんの従姉である女優の広田レオナさんによる紹介。亜矢子さんが浩市さんの大ファンだったのです。

 

結婚当時の浩市さんは業界でも“けんかっ早い俳優”という評判もあり低迷期でしたが、亜矢子さんは家庭を守ってほしいという彼の願いを聞き入れました。女優業をやめて育児に専念し、浩市さんを支え続けたのです。

 

不仲と報じられた浩市さんと故・三國連太郎さんの関係が良好になったのも、亜矢子さんと息子の寛一郎くんの存在が大きかったそうです」

 

寛一郎が一人立ちしたいま、夫妻にとって里親活動は“セカンド子育て”でもあるのだろう。前出の知人が続ける。

 

「亜矢子さんはもともと面倒見がよく、浩市さんが映画の主演をやるたびに匿名で寄付を行うなどチャリティ活動にも熱心でした。

 

長年、内助の功で尽くしてくれた奥さんに頼まれては、佐藤さんもNOとは言えないでしょう」

 

還暦前に再び子育てと向き合うことになった佐藤。そこには妻に請われたからだけではない、秘めた思いがあるようだ。

 

《三國にはなかった…、こういう言い方はたいへん申し訳ないけれど、僕がひとつの家族を作って、彼にちゃんと見せてあげられたのはよかったんじゃないかと思っています》(文藝春秋『三國連太郎、彷徨う魂へ』より)

 

家庭を顧みず、佐藤が中学に上がる前に離婚した父の故・三國連太郎さん(享年90)。佐藤が俳優を目指すと話した際、三國さんは「縁を切る」とまで伝え、以後も何度も確執が伝えられてきた。

 

俳優としての成功に加え、父が成しえなかったよき家庭を築くことは、佐藤にとって“父を超える”ため自らに課した命題なのだろう。

 

《映画の撮影現場に、(里親制度の)こどもたちを連れて行くこともあります。昔はよく息子を連れて行きましたし、僕自身もこどものころ、親に連れて行ってもらいました。(略)

 

実際にものづくりの現場を見て、「素敵だな」でもいいし「仕事するって大変なんだな」でもいいから、何かを感じとってもらえたらうれしいなと。もしかしたらそのなかで、将来役者を志す子が出てくるかもしれませんしね》(Web「朝日新聞GLOBE+」より)

 

三國、佐藤、寛一郎、さらに里子たちへ——役者の志が連なってゆく。

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