「寅子が納得のいかない事態に直面したときに出す決め台詞『はて?』がSNSで話題となり、早くも今年の流行語大賞の最有力候補になっています」(芸能関係者)
NHK連続テレビ小説『虎に翼』は前作を上回る視聴率を記録し、好調なスタートを切った。ヒロイン・寅子を演じる伊藤沙莉(29)が先頭に立ち、撮影を引っ張っているという。
「クランクイン当初は緊張気味でしたが、自分から積極的に共演者とコミュニケーションを取ることで現場になじんでいきました。特に母親役の石田ゆり子さん(54)とは、主役の重圧や悩みを包み隠さず話すなど、なんでも相談できるいい関係を築いています。
家族での食事シーンではカットがかかった後も、みんなで食事を続け、本当の家族のような団らんがよく見られます。彼女は役柄そのままでとにかく明るいんです。座長として現場の“一体感”を大事にしており、休憩中も極力楽屋に戻らず、みんなで話していますね」(制作関係者)
現場はチームワークがよく、伊藤の粋な計らいでさらなる一体感が生まれているようだ。
「スタッフが作って全員に配った“虎に翼”Tシャツを見て、伊藤さんが『ほかにもおそろいのものを持ちたい!』と、靴下とミニバッグを自費で発注したんです。全員なので200人分ぐらいでしょうか。おかげで現場のテンションも上がっています。特に大学の女子部のキャストたちはみんな仲もよく、伊藤さんの心遣いに大はしゃぎしていました。彼女は初の大役にもかかわらず常に周囲を見ており、細かいところまで気遣いができるのでスタッフからの信頼も厚いですね」(前出・制作関係者)
現場での気配りを評価される伊藤だが、元々は器用なタイプではなかったという。自著では「ポンコツ」を自称しているほどだ。
《テスト0点なんて余裕でとっていたし考えごとや妄想をしている時に話しかけられても本当に全くと言っていいほど聞こえない。言われたこととか、やってることとかやらなきゃいけないこととか普通に忘れちゃう。思い出しても何故か後回し。通信簿に書かれてたことといえば大体マストで「落ち着きがない」》(『【さり】ではなく【さいり】です。』KADOKAWA)
兄で芸人のオズワルド・伊藤俊介(34)も自身のnoteで、妹についてこう記している。
《全てのバロメーターの中で女優の才能に全ベットした彼女は、一人の人間として見た時、色々なことを満遍なくこなせるタイプでは決してない。(中略)たまにいる、こいつこれがなかったら生きていけなかったんじゃないかと思える奴。彼女は超それなのだ》
しかし、伊藤が「全ベット」した女優で花開くまでは一筋縄ではいかなかった。
「9歳で子役デビューした伊藤さんですが、中学生から20代前半までは仕事が少なく、長く売れない時期を過ごしています。容姿や特徴的な低い声が原因でオーディションに落ちることも度々あって、当時は“劣等感まみれ”だったと本人が明かしています」(前出・芸能関係者)
下積み時代にはコンビニ、居酒屋、クリーニング店など数多くのアルバイトを経験したという。
「高校を卒業してからはほぼフリーターのようだったそうです。ただ、なかなか向いている仕事がなかったようで、有吉(弘行)さんの番組に出演した際にお兄さんから『どのアルバイトも1年続かない』と暴露されていました」(前出・芸能関係者)
アルバイトをクビになる原因はおもに彼女にあったようで……。
《コンビニだったらレジで寝てしまう。パンもいくつ電子レンジで爆発させたのかわからない。パンは温めるときに袋を少し切らなければいけないのに、それを忘れてポン、ボン!…新しいのお持ちいたしますぅ~というのが毎回。クレームの嵐でした》(「まいどなニュース」’20年11月7日配信)
さらに、とんでもない“ポンコツぶり”も明かしている。
《居酒屋のバイトではビラ配りしてたら夜の散歩が気持ちよくなって一時行方不明。戻った時死ぬほど怒られた。(中略)クリーニング屋のバイトでは朝のレジ作業を間違えてまさかのレジ締め。その日の売り上げは0円となった。いつも優しかったパートのおばさまからは「伊藤さんね、前代未聞だよ……」》(前出・自著)
アルバイトだけでなく、女優も“クビ”になりかけたという。
「彼女が18歳のとき、子役時代から所属していた事務所の子役を扱う部署が解散になったのです。一時は女優をやめることも考えたそうですが、現在の事務所に拾われる形となりました。そこでもしばらくはフリーターのような生活を続けており、女優業には熱心でなかったそうです。当時のマネージャーからは『今のあなたが突然やめるって言ってきても全く止める気はない』と、厳しく叱られていたとか」(前出・芸能関係者)
しかし、女優以外の仕事を経験した結果、伊藤はある結論にたどり着いたという。
「『ことごとく何もかもが向いておらず、今の仕事しかできない』と、女優の仕事に身が入るようになったそうです。そこから意識を変えて、朝ドラヒロインにまでなってしまうのですから、まさに天職なのでしょう」(前出・芸能関係者)
ポンコツ行動を繰り返した末に、「はて?」と天職に気づいた伊藤。女優という翼を得た彼女は今、大きく羽ばたいている。