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人妻の翠は、40歳を過ぎ、枯れていく己の肉体に不安を抱いていた。夫は、家庭に興味がなく、会社の部下と不倫を続けている。ある日、翠は、娘のお見合い相手、松下志人と恋に落ち、愛欲に溺れていく……。この、道ならぬ恋を演じたのが、元セイントフォーの濱田のり子と、新人俳優の夛留見啓助だ。

(左)はまだ・のりこ☆65年2月22日生まれ、埼玉県出身。セイントフォーの元メンバー。主な出演作に、映画『来て。抱いて。愛して。』(97年)などがある。映画『花と蛇ZERO』が5月17日より公開。(右)たるみ・けいすけ☆87年1月31日生まれ、群馬県出身。主な出演作に、映画『鉄馬と風』(14年)などがある。

映画『はだかのくすりゆび』

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監督/山口雄也
シネマート六本木にて公開中
(オフィシャルサイト)http://www.cinemart.co.jp/kusuriyubi/
(C)2014エスピーオー(C)艶々/日本文芸社
『映画はだかのくすりゆび完全版』5月2日(金)セルDVD-BOX&レンタルDVD上、中、下巻 同時リリース予定! (全3話/発売・販売元:エスピーオー)

 

――40歳を過ぎた人妻の翠が、親子ほど年の離れた青年の松下志人と出会い、恋愛関係になっていく様子が映画では描かれています。翠の夫は、家庭に妻に無関心で、現代夫婦の一面を反映しているような気がしました。濱田さんは翠を演じていて、翠に共感できる瞬間はありましたか。

濱田「ありましたね。翠は40を過ぎ、肉体の衰えを実感してきていますが、年齢に関わらず、翠のような心境でいる女性って多いんだろうと思いました。娘のお見合い相手と翠は恋に落ちますけど、道徳上、それはいけないことではあるけれど、否定できないと。だって、
いろいろと努力しているのに、夫は自分に全く興味がないし、浮気もされている。ふと、自分はこのままでいいのだろうかと問いかける瞬間があったと思います。そんな時期に1人の青年と知り合ってしまった。男性の目線から見たら、翠はどんどん壊れていく女性に見えるかもしれませんが、人間の心は表裏一体で、何かささいなことがきっかけで変わってしまう。そういう部分をわかってほしいと思い演じました。翠がわがままで、だらしない女性に見えるのが、絶対に嫌だったので」

――夛留見さん演じる、松下志人は、見合い相手の母親に恋してしまう役柄ですが、志人を演じるときに心がけたことはどういうことでしたか。

夛留見「僕はシンプルに考えました。志人は、好きな人に出会った。でもその相手は、お見合い相手の母親で、人妻だった。その関係性に障害があったと捉えました」

――濱田さんが思う、年下男性の魅力とは、どういうところにあると思いますか。

濱田「私、年下にまったく興味がなかったんです。私にとっては会話も成り立たないような未知の世代だと思っていて。自分の周りでもすごく年の離れた男性と付き合っている人がいて、すごいなと。でも、この作品も含め、仕事で若い男性とご一緒する機会が多くなってきて、年下男性は刺激的だと思うようになりました。ちょっとした時にぐっと来るようなことをしたりとか」

夛留見「僕、何かしましたか?」

濱田「階段での絡みのシーンのときに、手すりのところでのけぞる感じで撮ったんですけども、撮影が終わったあとに、手をさしのべてくれたんですよ」

夛留見「あ、やりました。すごいうしろにのけぞっていたので」

――そこにぎゅっと来たと。

濱田「現場って、自分の持ち場で精一杯なので、そこまで気を使える状況にないことのほうが多いんですよ。でも、手をさしだして、私を抱きかかえてくれたので」

夛留見「やはりそのまま放置はできませんし」

濱田「放置されることがじつは多いんです。そういう思いやりが、年下の年代にあるんだなと、驚きました。偏見があったんでしょうね」

夛留見「濱田さんが、すごく可愛らしいし、先輩風を吹かせるタイプの方ではなかったので、すごく可愛らしい人を守ってあげたいという気持ちになって。いい意味で距離感が近かったというか」

濱田「そうなんだ。ありがとう。ヤバイでしょ、この発言(笑)」

――志人の自宅の古い感じも、先の見えない2人の関係性を表現していたように見えます。

濱田「志人の家は、すごく昭和な感じのレトロな家で、風が来るとガタガタと音がして、とても寒かったです。そういうところに志人は1人で暮らししている。あの家を見た瞬間、ぐっと役に入り込むことができました。志人を自分がどうにかしてあげたいという、同情のような気持ちが芽生えました」

夛留見「あの家を見て、母性を発揮されたんですね(笑)」

――それと、志人の食べっぷりがよかったですね。

夛留見「監督から『ガツガツと食べてください』という指示が出ていたので」

濱田「自然においしそうに食べていて、そこでまた母性をくすぐられて。あのお家を使って撮ったシーンは、母性本能をくすぐられる感じがたくさんありました」

――翠の夫は、妻にまったく無関心の男性でしたが、夫婦がいつまでも仲良くいられる秘訣など、翠を通じて発見できたりしましたか。

濱田「うーん。私が一番思ったのは、年を取ってシワシワになっても、奥さんのことが『一番好き』って言ってあげたりするのが大事なのかなと。そのために奥さんも一生懸命に努力すると思いますし。相手に対しての思いやりを持つことが一番なのかなと思います。それだけですよね。翠もほんの少しでもいいから話を聞いてもらいたかったんだと思う。だから翠は、すごく孤独だったのでしょう」

――濱田さんといえば、昨年はセイントフォーが復活しましたよね。それと、美熟女、美魔女としても知られています。

濱田「いろいろと言っていただけるのはありがたいんですけど、恥ずかしくて。でも、頑張らなくちゃという、いい意味でのプレッシャーにもなっています。今後も自然体で、やっていけたらいいなと思っています。セイントフォーとしては、ディナーショーとか、そういうものをやってみたいですね」

――夛留見さんの今後の抱負をお聞かせください。

夛留見「映画の撮影等が今後も入っているのですが、この作品を機にもっと頑張れたらいいなと思います」

――では最後に、作品のPRをお願いします。

濱田「描かれている内容は、社会通念上、いけないことだけれども、そうせずにはいられない女性の孤独が描かれています。そのあたりを感じていただけたらなと思います。女性には、共感できるシーンがたくさんあると思いますよ」