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芸能スキャンダル、停滞する経済、横暴な政治……。一年を表す漢字は「金」だったものの、’16年の日本は、明るいニュースばかりではなかった。そんな日本を叱咤激励するのは、寄る年波をものともしない“最強のご長寿”たちだ。80歳、90歳を超えても“バリキャリ”道を突き進む彼女たちの、身をもって経験したからこその主張とは−−。

 

「若かったころに、不動産会社の“営業トーク”にだまされて、欠陥住宅を買わされた苦い思い出があるんです。ほかの人にはそんな嫌な思いをしてほしくないという気持ちがありましたね」

 

夫に先立たれたことをきっかけに、難関の国家資格・宅地建物取引士に、78歳という年齢で合格した和田京子さん(86)。6年前に孫と一緒に、自筆の看板を立てて「和田京子不動産」を起業した。

 

「まったく何も知らない主婦だったのに、この世界に飛び込んだので、はじめは苦労ばかりで……。自宅の和室を仕事場にして、夜中まで電話を受けたり、メールのやり取りをしたり、ほとんど24時間営業でしたね。業界のしきたりもわからなかったので、売り手業者から物件を紹介してもらえなかったり、手数料をもらいそこねそうになったりしたんです」

 

それでもこの仕事を続けられているのは、若いときに抱いた不動産業界への“意地”があるからだという。そんな和田さんは、不動産業についたからこそわかる、現代の住宅にまつわる問題点を語る。

 

「『バリアフリー』を謳う住宅の中には、ドアの幅や廊下の幅が78センチ未満のケースがあります。それでは自走式の車いすが通ることもできず、まったく『バリアフリー』になっていないんですよ。となりに人が立つスペースが設計されていないトイレもあります。これでは、介助ができませんよね」

 

自分で納得できる物件しか売らない、という和田さん。その心情は、さまざまな経験をしたからこそだろう。