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「3年前、初めて『ミス・サイゴン』を見て、雷に打たれちゃったのよ。俺が長年やってきたスタイルや、ロックで表現したかったものが全部詰まってるんだから。エンジニアが歌う『アメリカン・ドリーム』には心底びっくり。完璧じゃないし愉快な面もあるエンジニアはまさに俺だよな。と思って」

 

そう語るのは、ロックのハードなイメージとは裏腹に、カッコつけない話が楽しいダイアモンド☆ユカイ(54)。昨年、ミュージカル『ミス・サイゴン』でエンジニアを好演。芸歴30年、オーディションを受けて得た大役だった。オーディションまで1年かけてダンスの自主練習。ビデオを何度もコマ送りで見ながら、動きを身につけた。

 

「舞台での踊りもお芝居もほとんど素人でしょ。おまけに何を習得するにも人の10倍の時間がかかるタイプだし」

 

地道な練習を積んで、晴れて帝国劇場のステージのど真ん中に立った。

 

初めてのミュージカルを終えるや、次の大舞台が待っていた。上演中のブロードウェイ・ミュージカル『コメディ・トゥナイト! ローマで起こったおかしな出来事《江戸版》』だ。舞台を原作のローマから江戸に移し、終始、抱腹絶倒の物語。自由を夢見る丁稚(片岡愛之助)が住む薬問屋と、澤野屋(ダイアモンド ユカイ)が営む芸者の置屋、子どもを捜して放浪中の男の留守宅で起きる出来事のドタバタ喜劇である。

 

「演出が宮本亜門さんなんで台本も読まずに引き受けた(笑)。時代劇の稽古だから浴衣で、って。持ってないから、亡くなった親父のを借りたんだ。帯の締め方がわかんなくてYouTubeを見ながら四苦八苦。愛之助さんが教えてくれて助かったよ。今回の収穫は着物のたたみ方と帯の締め方。燃えたぎる欲望があってサムシングがつかめれば、50を過ぎてもできないことはない」

 

今月、55歳の誕生日を迎え、ロックな精神で初めての喜劇に挑戦中!!

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