渡辺 大和田役の香川さん、第4話ではほんとに泣いてましたよね。

 

松也 香川さんは変幻自在ですよね。あの演技力には頭が下がります。原作では大和田は登場していないので、ドラマの演技はオリジナルなんです。

 

渡辺 会社のシーンでも何十人もエキストラ使って、緊張しない?

 

松也 僕の役は重要な役だとジャイさんから伺っていたので、撮影初日は緊張しましたね。堺雅人さんとの最初のからみでは堺さんがすごい長ゼリフで、それが完璧だった。専門用語がたくさん入ってるのに、まったくかまずに。そんな堺さんに引っ張られ、僕も負けていられないという気持ちになりました。堺さんは緊張してた僕を見て、『歌舞伎、これから先どうなるの?』とかフランクに気さくに話しかけてくださって。

 

渡辺 堺さん、私が演出した舞台にも出てくれたことがあったんですが、打ち合わせに20分遅れてきたから思わず雷落としちゃって。もっとやさしくしとけばよかった(笑)。ほかに印象に残ってるシーンある?

 

松也 僕が郷田社長(戸次重幸)のオフィスに乗り込んで詰め寄るシーンです。瀬名社長は短気なのでいきなりぶち切れ、堺さんが体を張って止めに入る場面があったんです。そのとき堺さんが「全然遠慮しないで振り払っていいよ」っておっしゃってくださったので、思いきりできました。「これぞ『半沢直樹』!」って感じでした。

 

渡辺 半沢さんとの剣道のシーンも素敵だったわね。

 

松也 あのシーンは1日がかりで撮ってたんですよ。道場を去るシーンでは、これからいよいよ反撃開始だと。そう思ったら思わず「うおー!」と口から奇声が出ちゃって!

 

渡辺 アドリブでしょ? 監督から怒られなかった?

 

松也 逆にジャイさんが喜んでくださって、褒められたんです。

 

渡辺 それは私も鼻が高い(笑)。

 

『消えなさいローラ』は松也にとって7カ月ぶりの舞台になる。

 

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