「老い」や「終活」について考えることも増えたという阿川さんに、“生きるピント”を聞きました 画像を見る

「私が仕事に追われて機嫌が悪そうだと、夫はスーッといなくなります。私が寝室に移動すると夫はスーッとリビングに、磁石の同じ極同士みたいな感じ(笑)。それで、ご飯のときだけ一緒になるんです。若い夫婦じゃないので、お互いに心地よい時間や生活のリズムができちゃってるでしょ。干渉し合わないことが秘訣ですかね」

 

そう話すのはタレントでエッセイストの阿川佐和子さん(67)。今月7日、こんな阿川さん流の人生の秘訣が詰まった『アガワ流生きるピント』(文藝春秋)を出版した。「仕事」や「恋愛」、そして「認知症」から「セックスレス」まで、さまざまな人の悩みにQ&A形式で答える本だ。

 

デビューから40年走り続けた今、「老い」や「終活」について考えることも増えたという阿川さんに、“生きるピント”を聞きました。

 

【Q】子どもがついに就職。子育てが終わると、生きる楽しみをなくしました。夫婦仲もよくなく、親しい友人もいません。どうすればいいでしょう。(54歳、女性、主婦)

 

【A】もう一回、昔の友達に会ってごらんあそばせ(阿川佐和子)

 

女性は、主婦になったら主婦同士で、仕事にまい進している人はその人たち同士で仲よくなるものです。たまに、主婦組と仕事組が食事とかしても、主婦組は子育てやお姑さんとの関係の話、仕事組は仕事の悩みの話と話題が合わず、学生時代に仲よかった相手でも、次第に疎遠になっていきます。

 

ところが50〜60歳ぐらいになってくると、主婦は子育ても終わって自分の時間ができてくる。仕事組もしゃかりきだった時期も落ち着いて時間や経済的にも余裕が出てきます。そんなころに会うと、なぜか話は盛り上がるのですよ。

 

私が60歳の同窓会でみんなに会ったとき、それぞれが近況報告したら、みんな大変な人生を送っていてびっくりしました。ブランドものに夢中だったコが義母の介護を経験してたりね。

 

「お互いによく頑張ったね」って、昔とは違ったおおらかで新鮮な関係が築けます。だから50〜60代は友達のかき入れ時。さみしさを埋められるかもしれません。

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