「みなさん、こんにちは」
夕方のニュース番組『Live News イット!』。視聴者にあいさつするフジテレビの“夕方の顔”である榎並大二郎アナ(36)は、画面から感じられる印象そのまま、明るくさわやかだ。
そんな彼が最近、イクメンパパとして注目されているのは、昨年9月、2週間の育休を取得し、その奮闘ぶりをSNSにアップしたことが話題になっているからだーー。
■水泳一筋から、アナウンサーを目指した学生時代
榎並大二郎アナは85年9月30日、東京都で生まれ、3人兄弟の末っ子として育った。一人遊びが好きでおとなしい性格。だが、芯の強さは持ち合わせていたのだろう。中学まで泳げなかったが、高校入学を機に“このまま一生、コンプレックスを抱えて生きていくのは嫌だ”と、一念発起し、遠泳部に入部したのだった。
朝練のため、毎日5時に起床し、6時前には家を出た。身支度をしているとき、時報がわりに見ていたのが、フジテレビの情報番組『めざましテレビ』だった。
「当時は大塚(範一)さんや高島(彩)さんが司会で、伊藤(利尋)さんが、チャチャを入れるという役どころ。すごく楽しそうな雰囲気で、親しみを持ちました。高大7年間、ずっと朝練に参加したため、『めざましテレビ』は生活の一部でした」
大学3年になっても、部活優先で就職活動には目もくれなかった。
「先輩に相談しても『お前は水泳をやっていればいいんだ。インターンなんかより、クイックターン(水泳のターン)をやっていろ』と言われて(笑)」
ところが、毎年恒例の夏合宿を終えると、すでに周囲が就職モードに入っており、焦りを感じた。
「あわてて自己分析して、なじみ深い『めざましテレビ』を放送しているフジテレビのアナウンサー職に挑戦。エントリーシートを書きはじめたのは、締切り2日前で、かなり“やっつけ”でした」
だが、万年部員不足で、新入生を勧誘するために身につけたセールストークと、1日10時間も泳ぐ体力で、複数ある面接を突破。10人ほどに絞られた面接の控室では、同期の加藤綾子さんの対応力に圧倒されたという。
「場を和ませるため、先輩アナが世話役としていたのですが、いつの間にか加藤(綾子さん・現在はフリーアナウンサー)が場を回しているんですよ。『速水もこみちさんに似ているって言われません?』『いや、特に……』『はっきり否定しないってことは、認めているんだ』って、いじられて、いじられて(笑)。それで緊張がほぐれたのかも」
そんな“アシスト”もあり、榎並アナは、08年、難関を突破しフジテレビに入社したのだった。