■90歳の理想の姿は「おばあちゃんやのに寄席で『うりゃー!』って全力で(笑)」
「次、なにを目指しますかね〜」
こう言って二葉さん、頭をひねった。じつは落語の賞レース、大きなタイトルはあまりない。昨年獲得した落語大賞が、登竜門にして、最も大きな賞の一つでもあるのだ。
「そう、だから『次これとる!』みたいなんが、思いつかなくて。いまもお世話になってる鶴瓶師匠からは最近、『東京出てこい』とは言われました。だからというわけでもないんですが来月、東京で独演会、やることに決めました」
将来は「全国を独演会で回れる噺家になりたい」とも話す。
「それで90歳になったときの、理想の姿はあるんです。ヨボヨボのおばあちゃんやのに寄席に出て『うりゃー!』って全力でアホをやったら面白いやろうなって(笑)」
ここまで聞いた記者が「それで、最後は米朝大師匠のように人間国宝に?」と問いかけると、
「あ、いいですね。目標はそれにします、人間国宝とります!」
こう言い放った二葉さん。その笑顔はまぎれもない、ほんまもんの顔だった。