■イラッとしても自律神経を乱さないためには「火を消せ」
小林:物事の考え方や捉え方も重要なポイントです。DAIGOさんには、逆境に強くて、どんな環境でも楽しめるテクニックが備わっているなと感じています。
DAIGO:僕は、小さいときから、喜怒哀楽の「怒」と「哀」があまりないんですよね。だから「喜楽」な人間なのかもしれません。
小林:ははは、そんな性格が口調やしぐさなどににじみ出ているから、周りの人もほっとするんでしょうね。一方「怒」は、自分だけでなく周囲の人たちの自律神経を一瞬で乱れさせてしまいます。
DAIGO:これまでも怒ったりすることがほとんどなくて。僕は、両親がケンカしているところを見たことがないんですが、それも影響しているのかもしれません。
小林:今は、世の中全体がイライラしていて、街を歩いていても「怒」がまん延していますからね。多くの人に、DAIGOさんのような発想が求められていますよ。
DAIGO:ストレスを感じたり、怒りの感情が生まれたときは、どうすればいいんでしょうか。
小林:間を置くことです。自律神経は、街で人とぶつかってイラッとしただけで、2~3時間も働きが落ちてしまいます。自分が怒りそうだなとか、イライラしたなと思ったら一呼吸置いて、別のことを考える。一瞬、間を置いて怒りの原因と距離を取ると、負の感情からスッと抜けることができるんです。
DAIGO:ちょっと冷静になろう、ということですね。『DAIGOも台所』でも、「困ったら火を消せ」と教わりました。用意が間に合わなくて慌ててしまったら1回、火を消そうということなんですけど、それと一緒ですね。
小林:沸騰している心を1回静めることが、自律神経にとってはいいことなのです。
DAIGO:先生、今日はありがとうございました。とても勉強になったし、STT(先生との 対談 楽しかった)です。
小林:こちらこそDAIGOさんとお話しして、自律神経が整いました。今日一日頑張れそうです。
【PROFILE】
小林弘幸
’60年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートや芸能人のパフォーマンス向上指導にも関わる
DAIGO
’78年、東京都生まれ。’03年にDAIGO☆STARDUSTとしてメジャーデビュー。現在は、ロックバンドBREAKERZのボーカルとして活動するほか、バラエティ番組への出演や絵本執筆など多岐にわたって活躍
(スタイリング:林 峻之/衣装協力:ガラアーベント トーキョー 03-6455-2065)