10日、フロリダ州ブロワード郡教育委員会前では、マスク推進派(左)に反対派(右)が激しく噛み付いた(写真:AP/アフロ) 画像を見る

米フロリダ州北東部のデュバル郡で、12歳の少女が学校でのマスク着用を義務づけるよう、教育委員会と教育長に宛てて手紙を送った。CBS NEWSなどが伝えている。

 

手紙を書いたのは、ライラ・ハートリーさん。ライラさんは新型コロナウイルスワクチンをすでに接種しているが、年齢的にまだ接種が受けられない10歳の弟が心配でたまらないのだという。

 

フロリダ州では、共和党のロン・デサンティス知事(42)が学校でのマスク着用の義務化を禁止する命令を出したばかり。CNNが報じた知事の声明によれば、「子どもたちにマスクを着用させるか否かを選択する親の自由を守る」ことが目的だという。8月9日には、教育委員会が命令に背いてマスク着用を義務化した場合は、職員の給与支払いを保留できるとも発表。

 

CNNによると、フロリダ州の感染者増加に対応するために、バイデン政権が同州に数百台の人工呼吸器を送ったにも関わらず、デサンティス知事は「記者にこの件を質問されて初めて知った。本当に(人工呼吸器が)送られてきたかどうかわかりません」と発言したという。

 

ライラさんが訴えた手紙の内容は、CBS NEWSなどが相次いで報じている。

 

「今、デルタ株が急増し、多くの子どもたちが入院したり亡くなったりしているので、マスクの着用は本当に必要だと思います。私の弟はワクチンがまだ打てません。

 

もしマスクの着用が義務づけられず、弟が感染してしまったら、一体弟はどうなってしまうのでしょうか。ワクチンを打てない全ての子どもたちは?

 

弟が死んでしまったらどうしていいかわかりません。弟にとって大切な場所である学校がその原因となるのならばなおさらです」

 

ライラさんには、デュバル郡の教育委員会から「この問題に真剣に取り組み、科学的な意見を取り入れる」という旨の返事が送られてきたと、CBS NEWSは報じている。

 

その後デュバル郡は、「生徒のマスク及びフェイスカバーのオプトアウト形式について」という方針を発表した。これは、「学校側はマスクの着用を強く推奨はするが、親が子どもにマスクを着けさせたくない場合は着用しないことも選べる」というものだ。

 

教育委員会の発表に先だって行われた集会では、同郡保健局の元局長のジェフ・ゴールドハーゲン博士が「マスクを着けずに登校させるなんて、自分の子どもを新型コロナウイルスの有毒な沼地に放り込むのと同じだ」と主張したと、CBS NEWSは伝えている。

 

1990年代後半から共和党所属の知事が続いているフロリダ州は、全米でも保守層が多く住む州のひとつ。ワクチン接種やマスク着用を拒否する人も少なくなく、いたるところで反ワクチン、反マスクのデモ活動が行われている。

 

一方、知事の“義務化禁止令”に背いて学校でのマスク着用を義務づけようとする動きも出ている。CBSマイアミが報じたところによると、ブロワード郡の教育委員会は投票の結果、賛成8・反対1でマスク着用の義務化を決定し、フロリダ州の禁止令に異議を唱えるため、法的措置を取ることを承認したという。

出典元:

WEB女性自身

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