BTS苦闘の練習生時代 非公開練習生Vがデビュー危ぶまれたJIMIN救う
画像を見る ヘイトクライムの意見交換のためにホワイトハウスを訪問(写真:アフロ)

 

■「これからも一緒に花道だけを歩こう。愛してるよ。僕の友達」

 

釜山広域市生まれのJIMINは、幼いころから頭脳明晰で理数系に優れていた。中学に入ってからは特にダンスに情熱を燃やし、釜山芸術高校を受験して首席で入学。専攻は現代舞踊だ。 そして高2のとき、釜山で行われたビッグヒットの公開オーディションに合格したのである。

 

ソウルに引っ越した彼は、Vと同じ韓国芸術高校舞踊科に転校。いつも一緒にバス通学し、社交的なVは、人見知りのJIMINを級友たちに紹介するなど気づかった。2人の仲のよさについて、韓国の音楽やカルチャーに詳しいDJ泡沫(うたかた)さんが教えてくれた。

 

「やはり韓国の年功序列ゆえの部分があり、同級生であることが大きいかもしれません」

 

それにしても、JIMINが練習生になったのは、BTSのメンバーが最終決定するわずか半年前である。それぞれのポジションはすでに決まっていて、加入には猛アピールしかなかった。学校で丸一日過ごし、朝3時、4時まで練習。2時間ほど寝たら、1時間歌って、また登校する日々だ。ある公式動画で彼は、「死ぬかもしれないと思った」と話している。

 

それでも事務所の会議では、毎月のように放出されそうになったという。

 

状況を変えたのはVだった。スタッフから「JIMINをどう思う?」と問われたVは、いかに自分にとって重要であるかを訴え、「一緒にデビューしたいです」と答えたのだ。

 

2人の友情を物語るエピソードとして、’17年に公式ファンコミュニティ動画でVが読んだJIMIN宛ての手紙がある。

 

「……今までいい思い出を残せて本当に幸せだった。そして、ごめんね。いつももらってばかりで。僕がトイレで泣いていると、一緒に泣いてくれて、一緒に夜明けにこっそり出てきて、笑ってくれて、気にしてくれて、考えてくれて、僕のために努力してくれて、理解してくれて、悩みも聞いてくれて、足りないものだらけでカッコ悪い僕をたくさん愛してくれて。これからも一緒に花道だけを歩こう。愛してるよ。僕の友達」

 

’20年、JIMINは『Friends』というVとのデュエット曲を作詞作曲している。まるで返歌のように。

 

’13年6月13日、この7人でBTSはデビューを飾った。その後の世界的活躍は周知のとおりだ。

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