天皇陛下 会見での五輪言及ゼロに…「無言の抗議では」の声も
画像を見る 天皇陛下との会見を要望しているというIOCのバッハ会長(写真:時事通信)

 

■コロナ禍に苦しむ国民を心配されて

 

その代わり、今年2月の会見でお言葉の大半を占めたのは、コロナ禍に苦しむ国民への心配だった。

 

「この1年は、コロナ禍に翻弄されてきました。愛する方を失ったご家族やご友人のお悲しみはいかばかりであったことでしょう。心から哀悼の意を表します」

 

「医療従事者の皆さんが、新型コロナウイルス感染症が流行し始めてからというもの、自らの感染の脅威にさらされながらも、強い使命感を持って、最前線で、昼夜を問わず、患者さんの命を救うために尽力いただいていることに心から感謝いたします」

 

陛下はさらに、保健所の職員、高齢者や障害者、生活困窮者や生活困窮世帯の子供たちといった社会的弱者とその支援者にまで、こまやかに寄り添うお言葉を述べられたのだ。この会見以降も、陛下は東京五輪について一度も公の場で言及されていない。

 

「天皇皇后両陛下はもちろん、東京大会のために努力を重ねてきたオリンピック・パラリンピック選手たちの活躍が見られることを願われていることでしょう。しかしそれ以上に、このまま東京五輪を強行開催すれば、医療機関や国民生活に多大な影響を及ぼすことを、強く心配されているはずです。国民の不安の声に耳を貸そうとせず、五輪開催を強行しようとするIOCや菅政権の姿勢に、両陛下は懸念を抱かれているに違いありません」(前出・宮内庁関係者)

 

名誉総裁という立場への責任感と、国民の命と生活を守りたいというお気持ちの“板挟み”で、天皇陛下と雅子さまはいまも苦悩されている――。

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