■王女が参列した例も…変化する皇室の慣例
世界の王室に詳しい関東学院大学国際文化学部教授の君塚直隆さんはこう話す。
「慣例にならえば、皇嗣である秋篠宮さまと紀子さまが名代として出席される可能性が高いとされます。しかし歴史を振り返ると、王女が名代として戴冠式などの即位を祝う式典に参列した例があります。
1948年にオランダのユリアナ女王の即位式が執り行われた際に、エリザベス女王の妹であるマーガレット王女が、英国を代表し父王ジョージ6世の名代として参列しているのです。また当時のマーガレット王女は18歳で、現在の愛子さまよりも年齢は2つも下だったのです」
前出の皇室ジャーナリストによれば、「愛子を英国新国王の戴冠式へ」と、雅子さまがお考えになったのは、“各国の同世代の女性王族たちと交流を持つためのよい機会にもなれば”という願いをお持ちだからだという。君塚さんが続ける。
「愛子さまと同世代には、将来君主となることが決まっているプリンセスたちがいます。ベルギーの王太子であるエリザベート王女は、愛子さまと同じ20歳で、将来同国初の女王として即位することになります。
両陛下と親交が深いオランダのウィレム=アレクサンダー国王の第1子であるカタリナ=アマリア王女(18)も、王位を継承することが決まっています。戴冠式というお祝いの場に愛子さまや各国王室の王女が一堂に会することになれば、とても華やかな式典となることでしょう」
皇室で“天皇のご名代”を務めたのは、必ずしも皇太子だけではない。1937年の英国王ジョージ6世の戴冠式では昭和天皇の弟宮であった秩父宮雍仁さまが、1980年のオランダ・ベアトリクス女王の即位式には、同じく弟宮の三笠宮崇仁さまが参列されている。
「長年各国の王家は慣例として、“戴冠式などには君主は参列せずに名代を遣わす”ことになっていました。しかし、必ずしも近年はそうならないケースも増えてきました。上皇さまや天皇陛下の即位の礼には、欧州のみならず各国の国王夫妻が参列しているからです」(前出・皇室ジャーナリスト)
陛下は、“時代に即した皇室に”と折に触れて語られてきた。安倍晋三元首相の国葬に参列するために来日した各国元首と、陛下は9月28日に相次いで会見されている。じつは、この会見の形も皇室に前例がなかったという。
「陛下は7カ国の元首と10分刻みで相次いでお会いになられたのですが、ここまでタイトな会見はとても珍しいです。陛下と雅子さまは今後も、前例にとらわれずに“令和流”の国際親善のあり方を模索されることでしょう」(前出・宮内庁関係者)
未来の女王たちとの友情が深まることが、愛子さまと日本の将来にとって、揺るぎない礎となっていくことはまちがいないーー。