平日の午前中とあって、JR東京駅は人でごった返していた。駅に併設された美術館・東京ステーションギャラリーに上皇さまと美智子さまがお姿を見せられると、人々からは歓声が上がったーー。
「3月20日、上皇ご夫妻は開催されていた洋画家・佐伯祐三の展覧会をご覧になるため外出されました。ご夫妻は居合わせた人々とお話しされ、久々の国民との交流は楽しいひと時だったとお喜びになっていたそうです」(宮内庁関係者)
2020年のお誕生日に上皇職が公表した文書で、上皇さまに認知症が疑われる症状が見られるとされ波紋が広がったが、美智子さまは献身的に上皇さまの認知機能の低下を緩和する奮闘を続けられている。
赤坂御用地内の散策や音読といった習慣も続けられているが、脳内科医で加藤プラチナクリニック院長の加藤俊徳さんは、外出も脳機能の維持に効果的だと指摘する。
「いつもと違う場所を歩くだけで、ふだんは使わない脳の部位が活性化します。多くの人々に出会って言葉を交わすことも、脳の機能維持という点からも好ましいことですね」
昨年、深部静脈血栓症と診断されるなど、美智子さまのご体調も万全ではないなか、心を痛められるような苦難にも直面されてーー。
「3月20日のおしのび外出を伝える報道に、“誹謗”がSNSに上がっていたのです。“注目されたいなら、退位しなければよかったのに”“引退したなら外出しないで静かにして”などと、攻撃的な投稿がありました。実はこうした声が上がるのは初めてのことではなく、外出のたびに繰り返されています。
美智子さまは以前から皇室に関する報道には留意されており、小さな批判でも謙虚に耳を傾けてしまわれるのです。SNS上の批判的な声について、美智子さまがどこまでご存じかはわかりかねますが、上皇さまのために外出をやめられることはないでしょう」(皇室担当記者)
4月10日には、上皇ご夫妻はご成婚64周年を迎えられる。皇太子妃、そして皇后として国民に尽くされてきた美智子さまへの心ない中傷は許せないことだがーー。
「天皇皇后両陛下はじめ、折々にご挨拶にいらっしゃるご家族とのひと時はとても明るい雰囲気で、上皇ご夫妻は心から楽しまれているそうです。昨年12月のお誕生日に愛子さまが訪問されたときにも、お話しが弾まれ、ご懇談後に玄関までお見送りにいらしたと聞きました」(上皇ご夫妻の知人)
ご家族との時間に癒されながら、美智子さまはご献身の歩みを続けられている。