■愛子さまの書いた小説の主人公は“献身的な看護師”
雅子さまが全国の看護師に心を寄せられるのは、日赤の名誉総裁というお立場のためばかりではないという。
「’11年11月1日、愛子さまが肺炎のため入院したときのことです。激しい咳と高熱で、不安そうなお顔を浮かべる9歳の愛子さまの手を握って、雅子さまは涙ぐみながら、一晩眠らずに病室で付き添われたことがありました。
入院先の東京大学医学部附属病院の看護師たちは献身的に看護にあたり、11月5日には退院することができたのです。愛子さまと病院から出られる雅子さまは、医師や看護師たちに何度もお辞儀され、繰り返し感謝のお言葉を述べておられました」(前出・宮内庁関係者)
このご経験は愛子さまにとっても忘れ難いものになったようだ。愛子さまは学習院女子中等科1年生のときに短編小説を書かれたが、次のような文章で始まる。
《私は看護師の愛子。最近ようやくこの診療所にも患者さんが多く訪れるようになり、今日の診療も外が暗くなるまでかかった。》
“看護師の愛子”が診療所を訪れるカモメやペンギンたちのために奮闘するというストーリーで、作品からは看護師という職業への敬意と信頼感が伝わってくる。
《今日も愛子はどんどんやって来る患者を精一杯看病し、沢山の勇気と希望を与えていることだろう。》
もちろん雅子さまも、おりにふれ看護師たちへの感謝の気持ちを示し続けられている。
「3年前に陛下とご一緒に日赤の社長らからご進講を受けられた際、冒頭の陛下と雅子さまのおことばが宮内庁のホームページで公表されました。
雅子さまは《特に、医療現場で働かれる皆さんには、危険も伴う大変重い任務を担ってこられました。皆さんの懸命な医療活動は、多くの患者さんの命を救ってこられたものと思います。》などとお話しになったそうで、ご進講中のご発言がこれほど長く公表されるのは極めて異例のことだったため、驚きが広がりました。
雅子さまは今もご体調に波がある状況ですが、陛下が厚労省の関係者や医療の専門家などからご進講やご説明を受ける際には、ほぼ毎回同席されています」(前出・皇室担当記者)
“第7波”が猛威を振るっていた昨年8月にも、めざましい功績をあげた看護師たちをたたえる「フローレンス・ナイチンゲール記章」の授与式に臨まれた雅子さまは、看護師たちに記章を授与された。
「ほとんどの行事が中止となったりするなかでも、雅子さまは授与式と懇談会にお出ましになり、受章者を直接ねぎらわれたのです。コロナ禍に屈せず奮闘する全国の看護師たちへ、雅子さまは感謝のお気持ちとエールを送りたいと思われていたからでしょう。
また3月にマスクの着用が全国で“個人の判断”となってからも、天皇ご一家はマスクをなるべく着用し続けられています。やはり、“自分たちが医療従事者に迷惑をかけたくない”という決意を固めておられるからなのだと思います。
5月半ばには全国赤十字大会があり、雅子さまも臨席される予定と伺っています。奮闘する看護師たちに心を寄せ、これからも支援を続けられるはずです」(前出・宮内庁関係者)
雅子さまの慈愛に満ちた支援が、身も心も消耗する看護師たちを癒し、再び立ち上がる原動力を呼び起こさせるーー。