■被災地お見舞いに立ちはだかる“壁”
能登半島地震の発生から1カ月が過ぎた。しかしなお、行方不明者の捜索や、上下水道などのライフラインの復旧作業は各地で難航している。
2月1日時点で、石川県での死者は240人、被災した約1万4千人が厳しい寒さのなか避難生活を余儀なくされている事態に、両陛下はご心痛を深められているという。前出の宮内庁関係者は、
「両陛下は復旧の進捗などについて、常に気にされながら新聞やテレビをご覧になっています。両陛下は一刻も早く現地に赴かれ、被災者をお見舞いして苦しみや悲しみに寄り添われたいとお考えになっているそうです。
しかし、雪などの気候や能登半島特有の地理的な要因もあり、インフラなどの復旧作業は厳しいものになっています。こうした状況もあって、宮内庁も石川県側とご訪問に向けた具体的な調整に入れていない段階です。両陛下によるお見舞いは、早くても3月にずれ込んでしまうのではないでしょうか」
だが奥能登の被災地へのお見舞いに立ちはだかるハードルが高くとも、雅子さまはご体調の波と向き合われながら、愛子さまの“独り立ち”に母として奮起されているのだ。
「復旧作業に負荷をかけないために、場所を絞って少ない日程で訪問されることになるでしょう。とくに津波被害も甚大だった珠洲市、輪島市、能登町を中心に、避難所や支援活動の拠点にお見舞いや激励に行かれるはずです。
能登空港の運用が再開されているものの、道路事情は万全とは言えません。アクセスは自衛隊のヘリコプターで行われ、現地での移動はマイクロバスを用いて、最小限の車両や人員での行程になると思います。
ハードなスケジュールや移動は、雅子さまのご体調にも多大なご負担となるはずです。しかし愛子さまにご自分の背中を見せられることで、被災者に寄り添うお気持ちを示したいともお考えのようです」(前出・宮内庁関係者)
愛子さまにも雅子さまと同じようなご覚悟が受け継がれていると、静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは指摘する。
「戦後の皇室は、大きな自然災害の被災地を訪問し、被災者に寄り添われることで、国民との絆を形作ってきた歴史があります。
両陛下は、“深い悲しみや困難な生活にある国民の立場を最も優先する”というなさりようを、しっかりと愛子さまに教え導かれているとお見受けしています。
愛子さまの“困難な立場にある人々のために尽くしたい”という信念は、幼少期から両陛下のご姿勢からも受け継がれたものにほかならないと思います」