8日間のイギリス公式訪問を終え、6月29日に帰国された天皇陛下と雅子さま。エリザベス女王から招待を受け、4年越しで成し遂げられた英国訪問となった。
公式行事が詰まった25日は、歓迎式典や豪華な馬車列でのパレード、バッキンガム宮殿での午餐会、晩餐会などが続いた。
バッキンガム宮殿へ続く「ザ・マル」と呼ばれる1キロ弱の大通りでは、日英の国旗が掲げられ歓迎ムード一色に。パレードを見ようと、沿道には朝早くから大勢の人々が詰めかけていた。
パレードでは陛下とチャールズ国王が、雅子さまとカミラ王妃がそれぞれ馬車に同乗された。陛下と雅子さまは歓声に手を振って応えられ、同乗した国王や王妃とにこやかに会話をされるお姿もあった。
カミラ王妃とお揃いの白い服をお召しになられた雅子さまは、パレードでは白いマスクを着用されたことも注目を集めた。
「雅子さまがパレードの際にマスクを着用されたのは、馬アレルギーの体質をお持ちのためです。何十頭もの馬に囲まれたパレードだったため、馬の毛が入るのを防ぐ目的があったようです」(宮内庁関係者)
ネットやSNSでは、《お気の毒》《心配です》と雅子さまを慮る声が。だが一部では、次のような心無い声も。
《雅子様の馬アレルギーなんて大嘘ですよ》
《雅子さまが馬アレルギーとは思えない。それは何枚もの写真や動画が証明している》
ご成婚後の雅子さまが乗馬されたり、マスクなしで馬の近くで撮影された写真などを理由に、雅子さまの馬アレルギーを否定する声が散見されたのだ。
しかし、そもそも宮内庁が雅子さまの馬アレルギーを公表したのは、陛下が即位された’19年だった。
「両陛下は’19年11月22日、23日に伊勢神宮にご即位の儀式が終えたことを奉告する『親謁の儀』に臨まれましたが、別々の移動手段を取られました。宮内庁は雅子さまの馬アレルギーを理由に、陛下と同じ馬車ではなく、オープンカーで移動されることを事前に発表したのです。
雅子さまはご結婚前から重度の馬アレルギーをお持ちで、乗馬などをされる際はマスクを二重に着用するなど予防策を取られてこられたとのことです。当日はあいにくの雨模様となり、雅子さまは屋根付きの御料車で移動されました」(前出・宮内庁関係者)
いっぽう馬とのエピソードも多い雅子さまについて、ある皇室担当記者はこう語る。
「動物好きの雅子さまは、馬にも愛情を注がれてこられました。ご成婚の翌年の’94年11月には、中東オマーンの国王からアラブ種の名馬『アハージージュ』を贈られたことがありました。後に生まれた仔馬は『豊歓』と名付けられ、愛子さまも幼い頃から乗馬されるなど、雅子さまとご一緒に親しまれました。
雅子さまもまた、適応障害のセラピーの一環として乗馬をされていた時期がありました。馬アレルギーがあるとはいえ、愛子さまにも馬と触れ合う機会を持たせたいとのお気持ちもあったのではないでしょうか。たしかにマスクを着用されずに馬と触れ合われるお写真も当時はありましたが、国民に心配をかけまいと配慮されていたのかもしれません」
その上で、パレードでマスクを着用された雅子さまについて、前出の皇室担当記者はこう続ける。
「パレードでは陛下も雅子さまも6頭立ての馬車で、その周辺はもっと多くの馬に囲まれていました。馬アレルギーをお持ちの雅子さまは、英国に行かれる前から“この場ではマスクをしなければいけない”と判断されたのだと思われます。
雅子さまが着用されていたのはただのマスクではなく、お召し物やお帽子のレースと同じ美しいデザインが施されたレースで飾られたマスクでした。英王室において馬車でのパレードは最上級のおもてなしであることから、雅子さまはお召し物とご一緒に、着用されるマスクもトータルコーディネートされたのでしょう。
雅子さまはご公務にあたって直前まで事前準備を入念にされるといいますので、今回も並々ならぬお気持ちで考え抜かれたのかもしれません」