片頭痛、慢性疲労、肩こりなど、原因がはっきりしない体の不調を抱える女性が多くいる。実はそれらの不調の原因として、遅延型の食品アレルギーが注目され始めているのをご存知だろうか。銀座・上符メディカルクリニック院長の上符正志先生はこう言う。

 

「遅延型フードアレルギーは、食べているものが体にとって過剰摂取になってしまい腸管(小腸)に詰まる。それが体にとってよくない反応を起こします。その人の体にとって特定の物質が腸管での消化能力を超えているのに、食べ続けることによって、アレルギーを起こします」

 

食物アレルギーには2タイプあり、エビ、カニ、そばなどによく見られる、食べて数秒〜数分でじんましんやかゆみなどの症状が現れるのが即時型フードアレルギー。それに対して食後3〜24時間くらいで症状が出るものが、遅延型フードアレルギーだ。気付かずに食べ続けてしまう人も少なくない。

 

「腸管の慢性的なアレルギーなので、頭痛、慢性疲労、うつなど、表れる症状は人によってさまざまです。その方の一番弱い部分に出てきます。肌が敏感な方なら、ドライスキンや湿疹、アトピー性皮膚炎など。胃腸の弱い方なら便秘や下痢。どんな症状で出るのかまさに千差万別でわかりません」

 

さらに困るのは、時間がずれて出ること。朝食に食べたバナナ、ヨーグルト、目玉焼き、ロールパンなどがアレルギーだとすると、夕方くらいに眠くなったり、片頭痛が起きたりするそうだ。朝食べたものが夕方ごろに症状が出ても、食べ物が原因とは気付きにくい。

 

「重度のアトピー性皮膚炎で、乳製品と卵が原因の方もいました。その方は健康によいからと毎日ヨーグルトや卵をたくさんとっていたのです。また体に合わない食べ物で起こる場合もあり、パイナップルが原因のことも。どのような食材でアレルギーが起こるかは、血液検査のデータからわかります」

 

遅延型フードアレルギーは、血液検査で96項目の食物の反応を調べる血液データから食物を特定することができるという。まだ日本には検査会社はないが、アメリカではスタンダードな検査だそう。血液をアメリカの検査会社に送り3〜4週間で結果が出る。自由診療のため費用は4万円前後。

 

一般に健康的といわれる食品でも自分に合わないものもあれば、大量にとりすぎるとアレルギーの原因となる場合もある。検査を受けるのは、自分の体に合った食事を見直すいい機会になるかも。

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