多くの読者世代が悩まされている、目にまつわる老化現象。年を重ねると体のあちこちに不調が出てくるように、目も衰える。老眼は40代以降から始まるといわれているが、老眼が早く進行する人もいれば、特に不調の出ない人もいる。
「その差は、遺伝的なもののほかに、生活習慣によるところが大きいですね」
そう指摘するのは、あまきクリニックの味木幸院長。姿勢が悪く、目のまわりの血流が滞ると目の不調が生じやすくなる。一方、疲れ目を解消する食材をバランスよくとるなど、良い習慣を続けていると、目も若々しさを保てるそう。
そこで「目のアンチエイジング」簡単メソッドを紹介。目の老化を防ぐためには、負担をかけすぎないこと、栄養を目にきちんと送ること、凝り固まらないようにすることが肝心。
■夜はスマホのブルーライトを避ける
「スマホから発せられるブルーライトは、夜間に浴びると体内時計が狂ってしまいます。同時に、目の水晶体にダメージを与えることに。日没以降はスマホ画面の凝視は極力避けましょう」(味木先生・以下同)
■電車に乗るときは窓から遠景を眺める
「揺れる車内で手元ばかり見ているとピント合わせを手助けする筋肉『毛様体』が緊張し続け、老眼や眼精疲労の原因に。遠くの景色を眺めて目をリラックスさせましょう。中づり広告などと交互に見れば毛様体の筋トレになり目の疲れも抑えられます」
■“きちんとまばたき”を意識する
「目はまばたきすることで涙が表面にいきわたり、潤います。慢性的に目が疲れていて、上下のまぶたがしっかりくっつかない“空振りまばたき”になっている人が増えています。思い当たる人は、少しオーバーに目を大きく開く→3秒閉じる、を5回繰り返す“まばたき体操”をこまめに行ってください」
■寝る前のアルコールは控える
「就寝前のアルコールは、目に必要なビタミンBが失われてしまいます。質のよい睡眠をとるためにも寝る前のお酒は控えましょう」
■自分に合った度数の眼鏡を選ぶ
「30代後半以降、目の異変に気づかずに不調があっても放置している人が多いのですが、自分に合わない度数の眼鏡やコンタクトは目に大変な負担をかけます。現状の視力に合ったものを使いましょう。目の老化や病気には紫外線とブルーライトが影響しているので、眼鏡にはこの2つをカットする機能をつけることをおすすめします」
■あごの筋肉を使って、よくかんで食べる
「よくかんで食べることは、あごの筋肉が刺激され、首、肩、後頭部といった目に関連する筋肉へのマッサージ効果をもたらします」
できることから毎日の習慣にしていこう。
「目の不調を放置して、よく見えない状態で過ごすと、脳の働きが落ちてしまいます。外出するのがおっくうになり、行動範囲も狭まると、身体機能も衰えてしまいます。目のアンチエイジングをすることで健康寿命が延ばせます」