クルミには認知症予防など、ナッツにはさまざまな健康効果があるのがわかっているが、身近なところではシソ、ショウガ、シナモンなど、漢方の材料ともなる生薬と組み合わせて、さらに長命パワーがアップするーー!
「ナッツは栄養豊富で、美肌効果や記憶力改善など、さまざまな健康効果があることが広く知られるようになってきました。おやつやおつまみとして食べるだけでなく、料理に取り入れている方も多いと思いますが、ぜひ試してほしいのが、漢方で知られる『生薬』との組み合わせ。一緒に食べることで、お悩みの不調がより効果的に改善しますよ」
こう話すのは、工藤内科院長で、東洋医学・漢方医でもある工藤孝文先生だ。ナッツとの組み合わせとして工藤先生が提案する「生薬」とは、漢方薬の原料にもなる植物や動物、あるいはその一部を用いた天然由来の薬のこと。身近なものでは、シソ、ショウガ、シナモンなどが知られている。
「東洋医学では、体の中で『気』『血』『水』の3つの要素がバランスよく循環していることが心身の健康を保つうえで重要だと考えます。このうちどれかが不足したり、滞ったりすると不調を起こすのです。生薬には、その不足や滞りを改善する働きがあり、根本から体質を変えて自然治癒力を高める効果が期待できます」
3要素の「気」は、活力や活動のベースとなるエネルギーのことで、流れが滞ると気の巡りが調節できず、自律神経のバランスを崩しやすくなる。「血」はその名のとおり血液のこと。不足すると貧血や精神失調を引き起こす。そして「水」は、汗やリンパ液など血液以外の体液。不足したり、流れが悪くなると肌荒れやむくみの原因となる。
そこで今回、工藤先生がおすすめの「ナッツ+生薬」の最強コンビレシピを紹介。
■カシューナッツご飯(カシューナッツ+ショウガ)
〈材料〉5〜6人分
・カシューナッツ(食塩無添加)…50g
・米…3合
・にんじん…60g
・ショウガ(みじん切り)…山盛り大さじ1
・A(だし汁…500ml、しょうゆ…大さじ2、酒…大さじ1、塩…少々)
〈作り方〉
(1)米は洗ってから30分以上水につけておき、水気をよくきる。
(2)カシューナッツ、にんじんは食べやすく刻む。
(3)炊飯器に(1)とAを入れてざっとかき混ぜ、カシューナッツ、にんじん、ショウガをのせて普通に炊飯する。炊き上がったら底からさっくりかき混ぜる。
カシューナッツは貧血に効果的な鉄分と銅が豊富。また、自律神経を整える働きのあるパントテン酸や、抗炎症効果、免疫機能を高める効果が期待できる亜鉛も多く含まれる。ショウガは3要素の「気」と「水」に有効。