■レジスタントスターチは腸内環境を整える最強食材
和菓子に欠かせないあんこは、日本人にとって親しみ深い食材だ。
あんこの原料であるあずきは、もともと食物繊維が豊富で、ごぼうの約5倍、さつまいもの約9倍の量が含まれているといわれている。また、ゆでると、あずきに含まれるでんぷんがレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)に変化し、食物繊維の量も5割増しになるのだそう。
「食物繊維には腸の善玉菌の栄養になる水溶性と、腸にたまったゴミを掃除して排せつさせる不溶性の2種類がありますが、レジスタントスターチは、この両方の機能を兼ね備えていて、腸内環境を整えながらしっかりと栄養を与えることができる、“最強食材”なのです」
また、レジスタントスターチには、糖尿病や肥満を防ぎ、脂質異常症の改善を促す働きもある。
そのほかにも、あずきにはタンパク質、カリウム、ビタミンB1や葉酸などのビタミン類、鉄分、あずきの赤色を出すサポニンやイソフラボンなど、さまざまな栄養素が含まれている。
「カリウムにはナトリウムを排出して血圧を下げたり、むくみを軽減する働きがあり、ビタミンB群は脳神経の働きを助け、疲れにくい体にしてくれます。サポニンには抗酸化作用に加えて、活性酸素を除去してシミやシワなどを予防するアンチエイジング効果、悪玉コレステロールを下げて血流を改善する働きがあることわかっています」
さらに、鉄分は貧血の予防や改善、イソフラボンは女性ホルモンのバランスを調整し、更年期症状を緩和したり、骨粗しょう症や冷え性の予防に有効に働く。
つまり、あずきは健康だけでなく、美容面でも頼りになる優秀な腸活食材なのだ。
一方のコーヒーはというと、カフェインの覚醒作用がよく知られているが、ほかにも大腸を刺激して便痛を改善させる効果があるといわれている。さらに、コーヒーにはポリフェノールのクロロゲン酸も豊富だ。
「クロロゲン酸には抗酸化作用だけでなく、血糖値の上昇を抑えたり、脂肪を燃えやすくして動脈硬化の予防にも有効に働きます」
また、腸内の善玉菌のエサとなって、腸内環境を整えるコーヒーオリゴ糖にも注目したい。