■自律神経に働きかけ、原因不明の目の不調にも効果が
スワイショウは、原因不明の目の不調をもつ人にもおすすめだ。
「自律神経が乱れていたり、精神が疲れていると、それが目に影響してさまざまな不調を引き起こすことがあります。ところが、自律神経に原因がある場合、多くの場合は原因不明と診断されます。これでは患者さんはスッキリしません。しかしスワイショウを取り入れると、血流が改善され、気も整えられ、目のピント調節能力も上がるのです」
実際に、視力をほとんど失っていた人が、毎日3時間スワイショウを続けて、視力が改善されたというケースもあるのだそう。
「運動の目への効果は毎日コツコツ続けることが鍵です。スワイショウは簡単にできる運動ですので、朝起きてからと、夜寝る前に行ってみてください。リラックス効果が高く、寝つきもよくしてくれますし、寝起きもスッキリします」
やり方は簡単。
【スワイショウ(腕振り)基本のやり方】
・呼吸は自然に行う。
・腕の力を抜き、ゆったりとしたスピードで腕を振る。
・無理に腕を振り上げたり、体をひねったりせず、気持ちいい範囲で行う。
・ヘルニアや脊柱管狭窄症など、整形外科的な治療が必要な人は行わない。
・腕がぶつかるものがないところで行う。
・前後の腕振りと左右の腕振りを1日に1~2回ずつ行うとよい。
【前後の腕振り】
腕を前後に振るだけで、どんな人にもお勧めできる方法。
〈1〉足は肩幅くらいに開き、膝や股関節の力を緩めて立つ。
〈2〉視線は常に正面。あごは軽く引く。腕や肩の力を抜いて、両腕を前後に振る。
肩の高さくらいまで腕を振り上げる。このとき手のひらが上に向くようにする。後ろに振るときは、力を入れずに、反動で手首を放り投げるようにする。
1回につき2~3分程度行う。
【左右の腕振り】
〈1〉膝や股関節の力を緩めて立つ。体の中心に1本の軸をイメージしながら、足を肩幅に開き、天井を見る。次にあごを引きながら下ろし、お尻を腰から数センチ落とす。
〈2〉腕や肩の力を抜いて、視線は水平のまま、体を引っ張るイメージで、左右交互に体をひねる。
体のひねりで腕が自然に振られるように、腕は常に脱力。ウエストだけをひねり、骨盤やお尻は回さない。
1回につき2~3分程度行う。
毎日の腕振りを習慣にしてみよう。
【PROFILE】
本部千博
眼科・統合医療ほんべクリニック院長。「眼筋ほぐしメガネ」など独自の視力回復法や近視、老眼の予防法を開発。著書多数